研究課題/領域番号 |
18KK0125
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
一ノ瀬 雅之 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (00408709)
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研究分担者 |
細淵 勇人 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (20581292)
中野 淳太 東海大学, 工学部, 准教授 (30350482)
住吉 大輔 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60432829)
佐々木 留美子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 特任助教 (20795314)
ハイサム アルハラフ 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 特任研究員 (70854090)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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キーワード | グリーンビル / アジア / 室内温熱環境 / エネルギー性能 / 気象データ / グリーンビル関連基準 |
研究実績の概要 |
2019年度の研究実施計画は分担に応じて、以下の5つの項目について並行して進め、実用性の高い竣工後性能検証手法の開発に向けた検討を進めた. 1. データの取得、基本的分析:建物のエネルギー・室内環境に関するデータについて,アジア各国の公的機関・デベロッパーとの協議を行った.また,アメリカ・日本で公開されているエネルギー消費データベースも含めて比較検討を行った結果,アジア地域においては建築外皮性能・建築設備効率が日本・アメリカと比較して建物性能に与える影響が大きいことなどが明らかとなった. 2. 温熱環境の評価方法の基準化に関する検討:既往の研究調査や独自に取得した室内環境データから,症状申告と室内環境の関係性について検討を行った.アジアでは室内温度設定が低く運用されているオフィスが多く,執務者の温熱感評価においても冷感側に申告が出ているものの快適感については肯定的な傾向となっており既存の温熱快適性予測モデルとの乖離が確認された. 3. エネルギー性能評価方法の基準化に関する検討:バンコクの大規模オフィスビルにおけるビル自動制御システム等の長期的なデータ分析を行った結果,外気導入量が過大となっていることが原因して潜熱負荷が過大となり除湿処理が追い付かないなどの状況が顕在化した. 4. 気象データの比較・整備:バンコクにおける設備設計用気象データについて独自の計測,ならびに現状供用されているデータについて調査を行った.現状供用データはバンコク郊外の空港で計測されており,都市部とは気温・湿度・風速等の要素に大きな乖離があることなどの問題点を明らかにした. 5. 世界におけるグリーンビル関連の基準・規制の比較:アメリカ,イギリス,日本,台湾,香港,ベトナム,タイ,マレーシア,シンガポール各国のグリーンビルディング認証の項目・評価比重について比較検討を行い,その特性を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去の調査による独自計測データに加え,文献等公開されているデータの収集が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,各国都市における建物エネルギー消費等に関するデータ収集を継続し,分析における統計的信頼性を高めることとする.
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に計画していた海外調査や国内会議が,新型コロナウィルスの流行によりキャンセルになるなどの影響を受けた.
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