イランにおける歴史遺産防災学の研究拠点形成に関する国際共同研究

2021 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18KK0129
• 研究機関: 金沢大学
• 研究代表者: 宮島 昌克 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (70143881)
• 研究分担者: 清野 純史 京都大学, 工学研究科, 教授 (00161597) ; 山口 謙太郎 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (10274490) ; 橋本 隆雄 国士舘大学, 理工学部, 教授 (40628814) ; 池本 敏和 金沢大学, 地球社会基盤学系, 講師 (60311677) ; 西川 隼人 福井工業大学, 工学部, 教授 (60769371) ; 吉田 雅穂 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90210723) ; 藤生 慎 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90708124)
• 研究期間 (年度): 2018-10-09 – 2022-03-31
• キーワード: 歴史遺産防災学 / ユネスコ世界遺産 / イラン / 聖タデウス協会

研究実績の概要

本研究は、カウンターパートの地方にあるユネスコ世界文化遺産である聖タデウス教会の耐震診断・耐震補強の研究を、海外共同研究者の若手研究グループと一緒に新たな国際共同研究として行うとともに、これまでの実績を歴史遺産防災学という観点から再構築することによって、イランにおいて歴史遺産防災学という新たな学問分野を確立し、カウンターパートのAzarbaijan Shahid Madani大学に歴史遺産防災学の研究拠点を形成しようというものである。
令和3年度も令和2年度に引き続き新型コロナウイルスの蔓延により、当初計画していた現地調査を行うことができなかったので、令和元年度に行った現地調査で得られたデータの分析を詳細に行った。さらに、分析結果に基づいて建造物の地震時安全性について検討を行った。令和3年度に計画していた、これまで継続して行ってきたイランにおける歴史的建造物の耐震診断・耐震補強に関する一連の研究を報告書の取りまとめを、研究分担者全員で分担して行った。また、令和3年度の計画では、海外研究協力者と共に「歴史的組積建造物の地震学・地震工学に関するイラン‐日本セミナー」を現地で開催し、研究成果のとりまとめと共有を行う予定であったが、新型コロナウイルスの蔓延により現地に赴き対面でセミナーを行うことができなかったので、オンライン形式で規模を縮小して行った。海外での活動を行うことができなかったので、国内の組積造構造物の代表格である城壁石垣について調査を行い、イランの組積造建造物との共通点、相違点を検討するとともに、両者の耐震対策についても検討を行った。

研究成果

• [国際共同研究] Azarbaijan Shahid Madani University(イラン)
  • 国名: イラン
  • 外国機関名: Azarbaijan Shahid Madani University
• [雑誌論文] Experimental study of in-plane hysteretic behavior of unreinforced masonry walls retrofitted with engineered cementitious composites (ECC) (2022)
  • 著者名/発表者名: Gholamreza Zamani Ahari, Kentaro Yamaguchi
  • 雑誌名: European Journal of Environmental and Civil Engineering 巻: - ページ: 1-20
  • DOI: 10.1080/19648189.2021.2023652
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] 熊本城における盛土と石垣の崩壊の関係 (2022)
  • 著者名/発表者名: 橋本 隆雄, 磯部 有作, 松尾 拓
  • 雑誌名: 国士舘大学理工学部紀要 巻: 15 ページ: 73-81
  • 査読あり
• [雑誌論文] Estimation of Ground Profiles Based on Microtremor Survey in the Bangkok Basin (2021)
  • 著者名/発表者名: Subedi Bidhya、Kiyono Junji、Furukawa Aiko、Ono Yusuke、Ornthammarath Teraphan、Kitaoka Takafumi、Charatpangoon Bhuddarak、Latcharote Panon
  • 雑誌名: Frontiers in Built Environment 巻: 7 ページ: 1-14
  • DOI: 10.3389/fbuil.2021.651902
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] 中詰め材の大きさに着目した石橋 の耐震性に関する基礎的研究 (2021)
  • 著者名/発表者名: 東 祐輔 ・古川愛子・清野純史
  • 雑誌名: 自然災害科学 巻: 40 ページ: 67-80
  • DOI: 10.24762/jndsj.40.S08_67
  • 査読あり
• [雑誌論文] 天守を有する91城の地震被害評価のための城のデータベース化と被災事例分析 (2021)
  • 著者名/発表者名: 吉田雅穂，市橋有咲
  • 雑誌名: 土木学会論文集A1（構造・地震工学） 巻: 77 ページ: I_609-I_616
  • DOI: 10.2208/jscejseee.77.4_I_609
  • 査読あり
• [雑誌論文] 大型振動台実験による石垣補強技術の耐震性評価 (2021)
  • 著者名/発表者名: 橋本 隆雄, 中澤 博志, 池本 敏和, 宮島 昌克
  • 雑誌名: 土木学会論文集A1（構造・地震工学） 巻: 77 ページ: 405-417
  • DOI: 10.2208/jscejseee.77.3_405
  • 査読あり
• [学会発表] 石積み構造物補強技術の安定性に関する模型実験 (2021)
  • 著者名/発表者名: 堀 謙吾、岩佐 直人、,橋本 隆雄
  • 学会等名: 第76回年次学術講演会
• [学会発表] KiK-net観測点におけるPSI値の地盤増幅度と地震規模の関係 (2021)
  • 著者名/発表者名: 西川隼、野口竜也、池本敏和、宮島昌克
  • 学会等名: 日本地震工学会・大会－2021
• [学会発表] Arias Intensityの地盤増幅度とサイト増幅特性の関係 (2021)
  • 著者名/発表者名: 西川隼人、野口竜也、池本敏和、宮島昌克
  • 学会等名: 第41回土木学会地震工学研究発表会
• [学会発表] 常時微動観測記録を利用した低層建物の地震被害評価に関する研究 -北陸地方，および熊本地震被災地区を対象として- (2021)
  • 著者名/発表者名: 六町優斗、村田晶、宮島昌克、池本敏和
  • 学会等名: 第41回土木学会地震工学研究発表会