研究課題
昨年までに、高度に配列した半導体カーボンナノチューブと ランダム配列に配列したものを用いて、異方性に違いがあることを見いたしている。本年度は、光電流とテラヘルツ波放射を比較することで、その差異を明確にした。その実験データを解析するにあたり、強電場下における運動量依存性超高速ダイナミクスの解明に対する新たなモデルを提案し、数値シミュレーションにより、整列の程度が励起された準粒子のダイナミクスに強く影響し、熱化経路が異なることを発見した。これは特に、高エネルギー、高運動量の電子集団(励起子衝撃イオン化による低エネルギー励起子の形成)の振る舞いが、配列により拡散的から超拡散的に発展する電荷輸送状態があることを実証した。 その結果は、Nano Lettersに掲載が認めらている。本年度は、上記の経過に加えて、テラヘルツ放射分光を、Bi2Te3-Teヘテロ接合界面、β‐Ga2O3に形成される自然超構造などにおける電荷ダイナミクス異方性観測の解明に拡張し、新たな知見を得た。前者では、界面にpn接合が形成され、光電荷がその界面に垂直に運動する様子、また、Te内部ではそのc軸方向に電荷が移動する様子の可視化に成功した。後者では、自由電子として振る舞う方位と、電荷が閉じ込められた強い異方性を示す方位があることを初めて見出した。これまでの成果が認められ、申請者が進めてきたテラヘルツ放射分光・イメージングが、新たな項目として、テラヘルツ科学技術ロードマップに加えられた。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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