研究課題
1. コロナ禍のためビーレフェルト大学との交流は大きく制限されてしまったものの、オンラインでの研究討論を行い、国際共著論文を発表することができた。研究内容としては、独自に開発したキラルなバナジウム触媒とフッ素ドープ酸化スズ(FTO)電極を用いる電解合成を組み合わせることで、ラセミ化の半減期が室温で16000年に達する安定なデヒドロヘリセン誘導体の創製に成功した。合成したデヒドロヘリセン誘導体は、単分子化合物として比較的高い円偏光発光特性を有することも見出した。また、ドイツ・アーヘン工科大との共同研究として、キラルバナジウム触媒によるヒドロキシカルバゾール類のエナンチオ選択的酸化カップリング反応の開発に成功した。2. 我々が独自に開発したバナジウム固定化触媒VMPS4を用いて、カルバゾールとナフトール類とのハイブリッド型ビアリールカップリングを高収率で進行させる方法を開発した。さらに、本生成物にリパーゼ触媒光学分割を適用し、高光学純度の化合物を得る手法を開発した。3. 入手容易な市販のリパーゼとVMPS4を組み合わせるDKRによって、プロパルギルアルコールの両鏡像異性体を作り分ける汎用性の高い方法論を開発した。4. 第三級アルコールの動的速度論的光学分割(DKR)の実用化を目指して研究を行った結果、ラセミ化触媒VMPS4の乾燥状態によって副反応を抑制できることが判明した。また、本法に適した基質として、新たに複数個の第三級アルコールを見出した。さらに、本DKRに適したリパーゼの調製と固定化に関して有益な成果を得た。5. キラルな新規二核コバルト錯体の創製に成功し、トリプタミン誘導体のブロモ環化反応においてジアニオン触媒として機能することを見いだした。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 備考 (2件)
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