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2018 年度 実施状況報告書

天然物立体異性体を用いる植物ホルモン活性制御

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0162
研究機関東北大学

研究代表者

上田 実  東北大学, 理学研究科, 教授 (60265931)

研究分担者 岡田 憲典  東京大学, 生物生産工学研究センター, 准教授 (20312241)
高岡 洋輔  東北大学, 理学研究科, 講師 (80599762)
宮本 皓司  帝京大学, 理工学部, 講師 (90721514)
研究期間 (年度) 2019-02-07 – 2021-03-31
キーワードジャスモン酸 / コロナチン / 立体異性体 / 二次代謝
研究実績の概要

本研究計画では、植物ホルモン ジャスモノイルイソロイシン(JA-Ile)の構造ミミック天然物コロナチンを例として、ligand point mutationが生物活性チューニングの新たな戦略として有効であることを示す。JA-Ileは、植物の食害および病害に対する防御応答や、二次代謝産物の生産誘導など、有用な活性をもつが、必ず副作用として生長抑制を伴う。本計画では、1の可能な立体異性体を全て立体選択的に合成し、Roberto Solano教授(スペイン)との国際共同研究により、副作用である生長抑制を伴うことなく、感染耐性向上や二次代謝産物生産を誘導する分子を開発すル事を目的としている。
本年度は、コロナチンの全16立体異性体の合成的供給に一応のめどを付けることができた。未だ収率が安定しないステップはあるものの、概ね量的供給が可能な合成ルートを確立できたことは大きな成果と考えている。また、これらを用いて、蛍光異方性実験による各COI1-JAZサブタイプに対する親和性評価と、表現型assayを行った。コロナチンの全16立体異性体のうち、幾つかのものはシロイヌナズナCOI1-JAZサブタイプに対して特徴的な選択的親和性を持つが、単一ないし少数のサブタイプに選択的なものはなかった。また、表現型としてもっとも評価が容易なアントシアニン蓄積と、生長抑制を観察したところ、生長抑制を伴わず、弱いながらもアントシアニン蓄積傾向を示す立体異性体が存在することを見いだした。今後はさらに表現型(二次代謝産物生産の化学型)を詳細に検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最初の目的であったコロナチンの全16立体異性体の合成的供給に一応のめどを付けることができたことは大きな成果と考えている。また、コロナチンの全16立体異性体のうち、幾つかのものはシロイヌナズナCOI1-JAZサブタイプに対して特徴的な選択的親和性を持ち、アントシアニン蓄積を誘導しつつも生長抑制を示さないことを見いだした。当初の目的に近づく成果が得られていると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、アントシアニン蓄積が弱い理由について検討を行う。生合成経路に着目し、中間体を定量分析することで、異なる転写因子によって制御される生合成中間体までの蓄積が起こっているか、検討を行う。その上で、複数の立体異性体の共投与による活性の強化を期待したい。また、他の二次代謝産物についても立体異性体の効果を検証する。

次年度使用額が生じた理由

追加採択であったため、海外渡航に必要な費用と研究実施に必要な費用をの一部を次年度に繰り越した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] マドリード自治大学(スペイン)

    • 国名
      スペイン
    • 外国機関名
      マドリード自治大学

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公開日: 2019-12-27  

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