研究課題
植物毒素の立体異性体ライブラリーを化学合成によって構築し、これらの植物ホルモン受容体サブタイプへの親和性の網羅的評価と、その生物活性をスペインCNB-CSICとの国際共同研究によって実施した。立体異性体ライブラリーの評価を、シロイヌナズナ、トマト、イネの3種の植物を用いて行い、核受容体サブタイプにユニークな選択的親和性を示す立体異性体をそれぞれ見出すことに成功した。コロナ禍において海外渡航が適わず、共同研究形態はネットを通じた情報交換と研究分担、各種研究リソースのやり取りに留まったが、下記のように優れた成果を上げることができた。本研究では、シロイヌナズナの受容体サブタイプに親和性を示した立体異性体にフォーカスして作用機構の詳細な解析を行った。その結果、植物ホルモン受容体のうち、植物の微生物感染耐性惹起に関与する受容体サブタイプを選択的に活性化する分子の開発に成功した。通常では、植物の病原菌感染耐性は、植物の生長阻害とトレードオフの関係にあるが、本手法ではこれらを切り離して活性化できることが明らかになり、既存の遺伝学的手法と比較して、ケミカルバイオロジー手法の優れた点を示すことができた。本分子はm植物ホルモンのシグナル伝達の内の一部のみを選択的に活性化する一方で、遺伝子発現の抑制は歩と度起こさないことが明らかになった。これによって、植物の生長防御には、細胞壁の生合成を抑制する遺伝子群の発現が関与することが明らかになった。これらの成果は、現在論文として投稿準備を進めている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件)
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