研究課題
味覚は食物を摂取可能であるかを判断する上で重要な化学感覚である。そのため、味覚は食性に応じて動物ごとに柔軟に変化してきた。当グループは近年、甘味受容体遺伝子が偽遺伝子化していることから糖の味を感知できないとされてきた鳥類の中でも、花の蜜を食するハチドリでは旨味受容体が糖受容体としての機能を新たに獲得していることを明らかにした。一方、ハチドリとは系統的に離れた鳥類の中にも多くの花蜜食及び果実食の鳥類が存在するが、これらの鳥類の旨味受容体がどのような機能を果たしているかは明らかでない。そこで、本研究では様々な系統に属する鳥類を対象に、旨味受容体の塩基配列解析、機能解析、行動実験を行い、花蜜食・果実食とその他の食性の鳥類の間における旨味受容体の機能の違いを検証する。クローニングが完了した鳥類の旨味受容体について順次、機能解析を実施した。また、糖受容能獲得の分子機構解明のために変異体解析を進めた。祖先型配列の推定を行い、人工合成したDNAをもとに機能解析を実施することで、進化の過程で糖の味受容能がいつ獲得されたかを明らかにした。研究代表者及び分担者が共同研究先を訪問し、今後の展開に関するディスカッションを行うとともに、新たに必要となる実験系について技術指導を受けた。
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Nat Ecol Evol
巻: 8 ページ: 111-120
10.1038/s41559-023-02258-8
https://www.foodfunction.jp/