研究課題/領域番号 |
18KK0167
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
Subbarao Guntur 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 主任研究員 (00442723)
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研究分担者 |
中村 智史 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, プロジェクトリーダー (00749921)
安西 俊彦 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, プロジェクトリーダー (40829991)
吉橋 忠 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生物資源・利用領域, プロジェクトリーダー (60450269)
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研究期間 (年度) |
2019-02-07 – 2023-03-31
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キーワード | デュラムコムギ / 疎水性BNI能 / BNI |
研究実績の概要 |
212の野生デュラムコムギ遺伝資源の疎水性BNI能を当初の計画通り評価した。疎水性BNI能の評価は、遺伝資源其々を発芽させ、10日齢に達した苗の約20株を使用し、これを2反復した。得られた根は疎水性の表面分泌物を得るため、10%酢酸-ジクロロメタンで洗浄し、根の表面の疎水性BNI画分を得た。これらのBNI活性を硝化経路にルシフェラーゼをリンクさせた遺伝子組換えニトロソモナスによる発光バイオアッセイを用いて測定した。疎水性BNI能は、CIMMYTのデュラムコムギ遺伝資源の遺伝的変異を代表するミニコアについて評価され、1植物体あたり約0ATU(アリルチオ尿素当量)から5.0ATUまでの範囲で、5倍の変動が観察された。デュラムコムギで観察された疎水性BNI能のレベルは、パンコムギ遺伝資源の疎水性BNI能の探索で観察された分布範囲と同様であった。一般に、コムギ類(デュラムコムギとパンコムギの両方)は、疎水性BNI能が1植物体あたり5ATUから100ATUにも及ぶことがあるソルガムやトウモロコシなどの作物と比較して、疎水性BNI能が非常に弱いことが推定された。我々のパンコムギでの試験結果では、親水性BNI能が、根系におけるBNI能の90%以上を占めており、その疎水性BNI能は限られていた。デュラムコムギの疎水性BNI能においても、既存の野生デュラムコムギ遺伝資源を活用し選抜や育種によって改良する余地はあまりないものと考えられる。
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