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2019 年度 実施状況報告書

ベトナム南部における食中毒原因菌の薬剤耐性化に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0168
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

中山 達哉  国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 主任研究官 (80552158)

研究分担者 山本 詩織  国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 研究助手 (40795291)
陳内 理生  神奈川県衛生研究所, 微生物部, 主任研究員 (70622752)
山口 貴弘  地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (80553635)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2022-03-31
キーワードベトナム食品 / 鶏肉 / 魚介類 / 食中毒菌 / 薬剤耐性大腸菌 / ESBL産生大腸菌 / カルバペネム耐性大腸菌
研究実績の概要

2019年8月にホーチミン公衆衛生研究所の研究チームとともにホーチミン市の露店から、鶏60検体を購入し、カンピロバクター菌、リステリア菌及び薬剤耐性(ESBL、カルバペネム耐性及びコリスチン耐性)サルモネラ菌及び大腸菌を分離した。その結果、選択培地におけるコロニーの表現型に基づいて、食中毒病原菌及び薬剤耐性菌の判定を行いストックをした。2020年3月にMTA締結後、サルモネラ菌以外の分離菌を日本に持ちかえった。現在、日本において分離菌株の高次解析を行っている所である。分離されたリステリア菌に関しては、定型集落がListeria monocytogenesと相違していたために、他のリステリア属菌だと推定していたが、同定の結果では全てセレウス菌であることが判明した。ベトナムの食品におけるセレウス菌の調査研究に関して、今までに報告がないことから、セレウス菌の食品への拡がりが懸念される。リステリア菌の検査法によってセレウス菌が分離されたこと、ベトナムの食品由来セレウス菌の菌株特性が明らかになること、これらの結果は、新たな知見であると考える。
一方で、2019年5月及び12月において、カントー大学の研究チームとともにカントー市のスーパーマーケット及び露店において、水産食品23検体から薬剤耐性(ESBL、カルバペネム耐性及びコリスチン耐性)大腸菌、サルモネラ菌及びアエロモナス菌の分離を行い菌株のストックを行った。現在、すべてにおいて分離作業が終わっていないが、5月に採材した10検体においては、日本では検出されることが非常に少ないカルバペネム耐性大腸菌が分離されたことから、第三世代セファロスポリンのみならず、カルバペネム系抗菌薬に対する薬剤耐性菌の蔓延化が危惧される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度は当初の研究計画通りに渡航を行い、2020年3月には分離菌株を日本に持ちかえれたことで予定通りに研究は進んでいる。
しかしながら、2020年4月以降の研究に関しては、新型コロナウイルスの大流行によって、現在、ベトナム渡航はできない状態であることから、研究計画の変更を行う必要があると考えている。

今後の研究の推進方策

2020年、8月にホーチミン市において、大規模な研究活動を予定していたが、現在、新型コロナウイルスの世界的大流行により、現地渡航が自粛されているために、8月の現地での研究活動は中止とした。今後の現地活動に関しては外務省の渡航自粛措置が解除され次第、計画を新たに立てる予定である。
一方、2020年度では2020年3月にMTA締結によって日本に持ちかえった鶏肉由来分離株の高次解析を行うことに加え、3月同時にベトナムから持ちかえった水産食品から、薬剤耐性菌の分離を行い、さらに菌株解析を進める予定である。これらの結果をまとめ、年内に論文作成及び投稿を考えている。

次年度使用額が生じた理由

3月にベトナム渡航し研究活動を行ったが、年度末であったため、予算処理ができなかった。そこで、この活動における予算は翌年度分として処理されることになり、余剰が発生した。余剰分は翌年度はじめに昨年度末、現地活動費としてすぐに処理される見込みである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ホーチミン公衆衛生研究所/カントー大学(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      ホーチミン公衆衛生研究所/カントー大学
  • [雑誌論文] Extended-spectrum beta-lactamase-producing Escherichia coli harbouring sul and mcr-1 genes isolates from fish gut contents in the Mekong Delta, Vietnam2020

    • 著者名/発表者名
      T.T.T. Hoa, T. Nakayama, H.M. Huyen, K. Harada, A. Hinenoya, N.T. Phuong, Y. Yamamoto
    • 雑誌名

      Letters in Applied Microbiology

      巻: 71 ページ: 78-85

    • DOI

      10.1111/lam.13222

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Quantification and long-term carriage study of human extended-spectrum/AmpC β-lactamase-producing Escherichia coli after international travel to Vietnam2020

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Nakayamaa, Yuko Kumedac, Ryuji Kawaharad, Yoshimasa Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Global Antimicrobial Resistance

      巻: 21 ページ: 229-234

    • DOI

      10.1016/j.jgar.2019.11.001

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Draft Genome Sequence of Stenotrophomonas maltophilia CRB139-1, Isolated from Poultry Meat in Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Shiori Yamamoto, Tatsuya Nakayama, Hiroshi Asakura
    • 雑誌名

      Microbiology Resource Announcements

      巻: 9 ページ: e00075-20

    • DOI

      10.1128/MRA.00075-20

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Low bacterial diversity and the presence of antimicrobial residues and antimicrobial resistance genes in a river containing wastewater from backyard aquacultures in the Mekong Delta, Vietnam2019

    • 著者名/発表者名
      Nakayama T, Hoa TTT, Harada K
    • 学会等名
      8th Congress of European Microbiologists
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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