研究課題/領域番号 |
18KK0178
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本田 与一 京都大学, 農学研究科, 教授 (70252517)
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研究分担者 |
小野 和子 京都大学, 生存圏研究所, 研究員 (20815493)
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (40230809) [辞退]
中沢 威人 京都大学, 農学研究科, 助教 (80608141)
入江 俊一 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (30336721)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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キーワード | 担子菌 / きのこ |
研究実績の概要 |
本年度もコロナ禍のため予定していた海外でのサイト研究がすべてできなかった。この為、研究の方向性を遺伝子汚染の対応策に振り向け、将来の遺伝子汚染を阻止するために必要な基盤技術の開発を進めていく事とした。結果として、ヒラタケをモデルとしたゲノム編集の導入や、減数分裂関連遺伝子のターゲッティング、およびCRISPR/Cas9による破壊を導入することで、胞子を作らない株の育種に成功した。より具体的には、Cas9及びgRNA発現カセットを含む組換えプラスミド導入による方法や、in vitroで会合させたCas9タンパク質とgRNAをリボタンパク質として、直接プロトプラストに導入する方法、さらに導入したCas9及びgRNA発現プラスミドを細胞内で一過的に発現させて、ゲノム編集を行う方法などをあらたに開発した。また、mer3やmsh4と言った減数分裂関連遺伝子を、ku80遺伝子欠損バックグランドで遺伝子ターゲッティングによりマーカーと置換したり、野生株のバックグラウンドでCRISPR/Cas9により遺伝子破壊したりした株を複数単離し、これらの株の子実体に胞子が殆ど生産されないことを示した。これらの成果は、今後の遺伝子汚染実態調査の継続と、さらに実用的な栽培種において遺伝子汚染を起こさない株の育種に道を拓くものであり、農業活動による遺伝子汚染の実態解明と、技術的な解決を目指して、今後継続課題の発展が期待される。
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