研究課題/領域番号 |
18KK0184
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20281876)
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研究分担者 |
蒔田 浩平 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (40588133)
宮崎 さと子 (窪田さと子) 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (90571117)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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キーワード | 人獣共通感染症 / 隠匿行動 / ミャンマー / ブルセラ病 / スリランカ / 牛結核 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスの感染拡大とミャンマーの治安状況悪化のため,ブルセラ病に関する現地調査がほとんど行えなかった。この状況を変えるため,帯広畜産大学と学術交流協定があるチェンマイ大学(タイ)と人獣共通感染症である牛結核について現地調査の可能性について検討した。チェンマイ大学ではすでに,2011年から2015年にかけて牛結核の農家調査(58戸)を実施しており,農家レベル(Herd level)での感染率は4.38%であった。この調査農家のうちチェンマイの16戸について,牛結核発生と農家特性との関係を把握するため,調査表を作成し,チェンマイ大学に調査を依頼することとなった。さらに,この結果を基本にして,チェンマイの家畜市場を中心にした牛結核の疫学調査を行う計画である。 チェンマイには4つの家畜市場がある。家畜市場に持ち込まれる牛から採血を行い,牛結核の感染拡大に関する疫学調査を実施する。同時に,家畜市場に持ち込まれた牛の特徴から,飼養されていた農家を特定し,隠匿行動などの農家行動の分析に結びつける。以上の計画についてチェンマイ大学と研究打合せを行った。 ミャンマーでは,当初200戸の酪農家についてブルセラ病の調査を予定していたが,64戸の遊牧酪農家の調査データのみが得られた。酪農家の多くは流産した胎盤を加熱して食べる食習慣が持つことがわかった。牛の生乳のサンプリングが新型コロナ感染のため,実施できなかた。 2020年11月に日本国際地域開発学会で本科研に関するシンポジウム「社会に埋め込まれた行動と家畜感染症の外部性への対応」を開催(座長:耕野)した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大,およびミャンマーの治安状況悪化のため,実態調査を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染の状況次第であるが,ミャンマーについては,新型コロナ感染の終息をまち,牛の生乳のサンプリングなど,ブルセラ病の現地調査を再開する。スリランカについても,新型コロナ感染の状況をみながら,ブルセラ病の疫学調査を行う。 チェンマイ大学で牛結核の疫学調査経験があり,新型コロナの影響も比較的少ないことから,チェンマイを中心とした牛結核の調査を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症のため海外での調査ができなかったため。ミャンマー・スリランカ・タイで,ブルセラ病・牛結核の疫学調査を実施する予定であり,現地の人件費・謝金・消耗品,および旅費などに使用する計画である。
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