研究課題/領域番号 |
18KK0188
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (10292096)
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研究分担者 |
川瀬 摂 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40435996)
五十嵐 慎 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60374766)
正谷 達謄 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (70614072)
井口 愛子 鳥取大学, 農学部, 講師 (90777020)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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キーワード | バベシア / マダニ / 家畜 / 疫学調査 / ゲノム解析 / トルコ |
研究実績の概要 |
バベシア原虫はマダニにより媒介される住血寄生虫である。家畜に重度の貧血・黄疸を主徴とする致死的感染症を引き起こし、地球規模で畜産業の脅威となっている。家畜バベシア症の制御には「バベシア原虫がいつ、どのようにある地域に定着し、そしてどのように周辺地域に拡散して行くのか?」という核心的問題点に対し、その流行実態をグローバルかつ時空間的な視点により解明し、さらにその地で今現在流行している原虫株に適した「オーダーメイド」な制御対策を講じる必要がある。本研究では、古来よりアジア・ヨーロッパ・中東などの家畜交易中継地として知られるトルコに着目した。当国における遺伝的に多様な原虫集団を対象とし、ゲノム疫学的手法に基づく家畜バベシア症の流行実態の解明と、ゲノム情報に立脚した現地即応型のバベシア症制御戦略の構築を目指す。当該年度に得られた研究成果は、下記の通りである。1)トルコの全国の15県において299頭のヒツジから血液サンプルを採集し、マダニ媒介病原体のの検出を行った。2)Babesia ovis、Anapulasma ovis、Theileria ovis、Analasma phagocytophilunの検出率はそれそれ2.68%、16.05%、41.47%、57.19%であった。3)そのうち、Babesia ovisについては、全ゲノムの解読を行っい、ドラフトゲノムデータベースを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り進展し、所期の成果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
ヒツジバベシア症患畜から分離したBabesia ovisについて全ゲノム解析を行い、ゲノムデータに基づいた対策法を考案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初予定していた日本側研究者のトルコへの渡航とトルコ側研究者の日本への渡航が中止となったため。
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