研究課題
本研究では病原性大腸菌等の細菌の膜タンパク質形成過程を解明すべく研究を進めた。大腸菌内膜へのタンパク質膜挿入には糖脂質MPIaseと膜タンパク質 YidCが重要な役割を担う。これまでに開発した再構成系を用いて、タンパク質の膜挿入だけでなく、フォールディング、さらには高次複合体形成過程について、F0F1-ATPaseのcサブユニット(F0c)を基質に用いて解析を進めた。F0cは糖脂質MPIaseとYidCに依存して膜挿入した後、YidCと膜シャペロンUncIの作用により11量体の形成が観察され、これらの過程を試験管内で完全再構成することに成功した。大腸菌の外膜へのタンパク質挿入にはBAM複合体が関わる。In vivoでのBAM複合体の構造機能解析を行うべく、過去の論文に基づき純化したサンプルを得ることに成功した。共同研究により膜挿入中間体を電子顕微鏡観察でとらえるべく研究を行った。また、前年度までに見出した外膜タンパク質に広く存在する新規シグナルがアセンブリーにどのように寄与するかを調べるため、輸送装置であるBAM複合体と、シグナル変異体の相互作用について解析してきた。2020年3月にJ-parcにおいて、国際共同研究者を招聘し共同で実施した中性子反射律法の測定結果の解析を行った。その結果、シグナル変異体はアセンブリーが完遂されず、BAM複合体に詰まった状態を取ることを明らかにした。現在、これらの結果を投稿すべく準備を進めている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (2件)
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