研究課題/領域番号 |
18KK0202
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
木村 暁 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 教授 (10365447)
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研究分担者 |
五島 剛太 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (20447840)
鳥澤 嵩征 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 助教 (60749406)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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キーワード | 細胞核 / 細胞骨格 / 力 / 遠心偏光顕微鏡 / 方向非依存微分干渉顕微鏡 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、細胞核が細胞の中央に配置するメカニズムについて、米国Marine Biological Laboratory (MBL)・イメージンググループが保有する遠心偏光顕微鏡(CPM)や方向非依存微分干渉顕微鏡(OI-DIC)など、独自の先端イメージング手法を駆使して迫ることである。細胞核が細胞内で移動するメカニズムを明らかにするためには、細胞核の移動にかかる力を測定することが重要と考えた。本研究課題開始前の予備的な結果から、これらの手法を用いることにより、細胞核が細胞内で移動する際の力を測定できることを見出していた。2019年度にMBLに2度滞在し、CPMおよびOI-DICを用いた測定を行った。また、CPMについてはMBL側で不要となったため、譲り受けることになった。2020年度には、CPMを研究代表者の研究室に移送し、研究協力者の協力をえてセットアップを行った。新型コロナウイルスの流行に伴い、2020年度はMBLを訪問できなかったが、日本においてCPMの測定を継続できたため、新たなデータをえて、研究成果を英文国際誌に投稿する準備を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの世界的流行に伴い2020年度にMBLを訪問できなかったことは計画遂行に対して大きなマイナス要素となった。一方で、当初は計画していなかったCPMの日本への移設に伴い、MBLに滞在せずともCPMを使った実験データを得ることができるようになったことは、大きなプラスとなった。計画段階では予想しえなかった大きなマイナスと大きなプラスがあったため、新型コロナウイルスの影響は大きくはないが、OI-DICを使った測定ができていないので、「やや遅れている」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
CPMを用いた測定については、日本で継続して行う。日本では遺伝子機能欠損体など組換えDNAを使った実験が可能となるため、力と遺伝子の関係を追求が効率的に行える。一方、方向非依存微分干渉顕微鏡(OI-DIC)についてはMBLにした存在しないので、引き続きMBLの共同研究者と連携して研究を進める。新型コロナウイルスの流行に伴い、2021年度の渡米計画は白紙となっている。日本国内で実施できる研究を着実に進め、海外渡航が可能となる状況を待つ。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウイルス流行に伴い海外共同研究先を訪問・滞在できなくなったため次年度使用額が生じた。これらについては2021年度以降に、海外共同研究先に訪問・滞在するための旅費と研究室スペースの賃貸料として使用し、計画していた国際共同研究を遂行する。
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