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2023 年度 研究成果報告書

窒素とリンの非対称性による多様な熱帯降雨林生態系の形成

研究課題

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研究課題/領域番号 18KK0206
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

配分区分基金
審査区分 中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

北山 兼弘  京都大学, 農学研究科, 名誉教授 (20324684)

研究分担者 相場 慎一郎  北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (60322319)
辻井 悠希  京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (70826742)
宇野 裕美  北海道大学, 地球環境科学研究院, 特別研究院(CPD) (30803499)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2024-03-31
キーワード生態系生態学 / 群集生態学 / 生物地球化学 / 生理学 / 元素欠乏
研究成果の概要

古い地質を持つボルネオ島などでは多様な熱帯降雨林生態系が成立している。それを説明する新たな仮説として、必須元素の中で最も生産を制限するNとPの非対称な関係性を考えた。ボルネオ島に多数の森林調査区を置き、樹木群集組成と土壌のジチオナイト抽出Fe濃度、可給態N、可溶性Pを調べた。その結果、土壌にはFe酸化物濃度の幅広い変異が存在し、Fe酸化物の溶脱が進むにつれて土壌は相対的P欠乏から相対的N欠乏にシフトした。この土壌傾度に沿って、樹木群集は連続的に変化した。樹木の栄養塩欠乏への適応(応答)はNとPで異なるために、この土壌傾度に沿って優占する樹木属の交代が起こり植生は連続的に変化した、と解釈した。

自由記述の分野

森林生態学

研究成果の学術的意義や社会的意義

これまで森林タイプの分布を説明する要因として、気候や土壌などの定常因子(それらの生態系からは独立した外的環境要因)が挙げられてきた。しかし、本研究から、地球化学的なNとP循環のアンバランスと生物学的な応答の非対称性が組み合わさることにより、多様な生態系が連続的に形成される可能性が示唆された。森林にはタイプは存在せず、樹木群集は時空間的に連続的に変異し、それは土壌風化によってもたらされる土壌N/P比の変化によって支配されている可能性が示された。さらに、結果は森林生態系が自律的に変化する可能性も示している。これらの結果は教科書的な解釈とは大きく異なるものであり、大きな学術的意義がある。

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公開日: 2025-01-30  

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