研究課題
群集レベルの研究では、タンガニイカ湖の沿岸岩礁帯で得られた群集動態データに対してEDM解析を行い、種間の有意な因果関係が抽出された。プロジェクト外の専門家からのコメントを踏まえた推敲を繰り返している。同データには微空間スケールでのGIS解析も行い、各種が選ぶ生息空間の詳細情報についても更新された。マイクロCT撮影と3Dモデル解析による食性と摂食形態の関係性については、下顎骨・歯骨・上顎骨・前上顎骨などを比較して個体間差・左右差の大きい箇所を抽出することに成功したほか、内部微細構造に基づいたミーゼス応力分布の個体間差・左右差の検討や、ファントム(ハイドロキシアペタイト密度既知の標準標本)を用いて検量された骨密度の個体間差・分布など、プロジェクト外の専門家を交えた新しい解析が進展した。種ごとの食性と左右性の関係性についても分析データが蓄積されたほか、Covid-19対応に支障のない範囲で試料の追加収集が行われた。個体レベルの研究では、左右性研究のモデル種であるタンガニイカ産鱗食魚を中心に、(Covid-19に最も大きな影響を受けつつ) マイクロCT撮影を活かした左右性指標の算出の標準化が進み、従来の測定法との比較に基づく新手法の利点の抽出も整理されつつある。発達に伴う左右性強度の変化や要因を探る飼育実験や脳科学的アプローチも、プロジェクト外縁部の成果として公表された。3Dモデルの水中投影を活かした画期的飼育実験システムの提案については、対象種の3D撮影とモデル作成に成功し、行動の撮影にも成功したものの、行動を3Dモデルで復元する段階において装置トラブルと対峙している。マラウイ産鱗食魚の左右性に関する研究は、現地から入手した餌候補物の各種解析が進み、非常に珍しい食性の発見に至った(論文執筆中)。これらの成果と展望は、2023年3月8日のプロジェクト会議で共有された。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
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