研究課題/領域番号 |
18KK0213
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
澤本 和延 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90282350)
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研究分担者 |
金子 奈穂子 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20464571)
澤田 雅人 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (20645288)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2021-03-31
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キーワード | ニューロン新生 / 神経再生 / ニューロンの移動 / 脳疾患 |
研究実績の概要 |
生後の脳において神経幹細胞から生まれる新生ニューロンは、脳機能の維持および脳傷害後の神経再生・機能回復に関わっている。我々はこれまでに、様々なモデル動物を用いて、正常脳および傷害脳における新生ニューロンの移動メカニズムおよび周囲の細胞との相互作用を明らかにしてきた。本課題は、海外の研究室と共同で、移動する新生ニューロンと周囲の細胞の接着および細胞形態変化のメカニズムと、その意義を明らかにすることを目的としている。さらに、応募者の研究室に所属する若手研究者を参画させ、国際的に活躍できる研究者として養成する。本年度は、以下の研究を実施した。 (1)新生ニューロンの構造の解析:脳内を移動するニューロンの微細構造や他の細胞との関係について、名古屋市立大学および海外の研究機関で解析を行った。(2)傷害脳における新生ニューロンと血管の接着の解析:我々はこれまでに、ニューロンが血管を足場にして移動することを明らかにしてきた。ニューロンと足場としての血管の相互作用の詳細を理解するため、その微細構造等について海外の研究機関と共同で解析した。(3) 神経幹細胞の分化・移動調節因子の解析:新生ニューロンの移動・分化の分子メカニズムを明らかにするため、新生ニューロンの移動や分化調節に関わる遺伝子について、名古屋市立大学および海外の研究機関で解析を行った。 本研究の成果は、脳可塑性の未知のメカニズムの解明と、新たな神経再生技術の提供につながる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた実験を名古屋市立大学および生理学研究所において実施するとともに、海外の研究機関を訪問して共同研究をスタートすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、名古屋市立大学及び生理学研究所において細胞生物学・分子生物学的な解析を行い、電子顕微鏡解析と遺伝子発現解析を中心に海外の共同研究者と連携して行う。研究代表者である澤本は研究全体の統括・ 論文作成等を担当し、研究分担者である金子及ひ澤田はマウスを用いた実験等を担当する。
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次年度使用額が生じた理由 |
既存の試薬等を活用したため予定していた物品の購入を行わなかった。また、実験助手を採用予定であったが大学院生等が研究を行ったため雇用しなかった。次年度、主に物品費及び旅費に使用いたします。
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