研究課題/領域番号 |
18KK0216
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金子 周司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60177516)
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研究分担者 |
白川 久志 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50402798)
宗 可奈子 京都大学, 薬学研究科, 助教 (50816684)
永安 一樹 京都大学, 薬学研究科, 助教 (00717902)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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キーワード | ビッグデータ / 電子カルテ / 有害事象 / 医療情報 / オントロジ |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症の影響によって米国における電子カルテの現地解析が不可能になったが、代わりに米国IBM社より4300万人規模のレセプトデータを入手することに成功した。これを用いて薬物依存あるいは薬物有害事象の発見に資する新たな解析法の開発に着手した。 薬物依存の治療における交絡因子については通院イベントよりも入院イベントがより重篤な症状を意味しているという点に着目して、これらのイベントが各患者においてどのように推移したかを解析し、その治療過程において処方された薬物の影響を調べる手法を編み出しつつある。2022年度中の発表は成らなかったが、継続して研究の完成に努力している。 薬物有害事象の発見に関しては、まず検出手法の性能を評価するために、あらゆる有害事象を網羅したゴールドスタンダードを構築することから始めた。結果的に92種類のポジコンと同レベルのネガコンのセットからなり、発症オンセットの時間的な指標も含まれた総括的評価尺度を完成することができた。続いて、相関ルールマイニングをレセプトに適用して有害事象の早期発見が可能かどうかを評価した。その結果、月単位のレセプトデータを用いた場合でも、従来法よりも早期に有害事象シグナルを検出することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
薬物依存の治療に有益な効果をもたらす併用薬については、機械学習を用いた新手法の開発に成功したが、まだ未発表であり今後、論文発表に向けて急いで研究を完成させる予定である。 有害事象の早期発見については、ゴールドスタンダードの構築と相関ルールマイニングによる早期発見の可能性を見いだすことができ、論文公表を完成させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
機械学習を用いた薬物依存の交絡因子発見手法についてデータ解析を進め、2023年度中には公表を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
薬物依存に関する研究の論文公表が遅れており、解析に必要な計算機使用料、英文校閲、論文掲載料に必要な経費を次年度に計上した。
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