研究課題
蛍光偏光顕微鏡観察のためのプローブであるPOLArISプローブ(蛍光分子と非標識分子の立体的相互関係を固く維持した状態で両者を結合させる方法)について、人工抗体様小分子種の拡張と多色化に成功し成果を発表しているが、その知見をもとにしたプローブ汎用化の実験例の提示のために、実験を継続、所見を蓄積している。アクチンを標的とするプローブについては、アクチン線維との結合状態についての構造情報をもとに結合に関与するプローブの配列について検討が終了し、他のアクチン結合プローブとの比較所見とまとめて学会発表を行い、現在論文の投稿準備中である。また、POLArIS法により標識された生体分子の細胞内蛍光偏光イメージング技術の確立のために、スピニングディスク共焦点蛍光偏光顕微鏡の改変・最適化を行ってきたが、顕微鏡側のセットアップ・性能検証はほぼ終了し、更なる観測条件改善のためにプローブ側の改良を継続しており、所見を蓄積中である。また、予期しなかった全反射蛍光偏光顕微鏡の故障に関し、対応が必要となり、これをきっかけとして、スピニングディスク共焦点と全反射顕微鏡の両者について、組換えと改造を実施予定である。神経系細胞におけるアクチン系細胞骨格動態の観察については、参照データとしての超解像顕微鏡による観察の条件検討を行い、過去の所見につきまとめたものを投稿準備中である。ラミンを標的としたプローブについては、作成した改変αへリックス法プローブの構造的な揺らぎの可能性を考慮し、人工抗体様小分子を利用した標識法についての検討を継続している。偏光蛍光相関分光装置については、計測基礎条件の決定のためのモデル分子を構築、計測を開始し、装置の問題点の洗い出しを遂行中である(共同研究)。
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