研究課題/領域番号 |
18KK0226
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 雅裕 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00444521)
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研究分担者 |
笹井 美和 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (30631551)
馬 知秀 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (90755266) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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キーワード | トキソプラズマ / 中国株 / 韓国株 / 日本株 / 系統解析 |
研究実績の概要 |
今年度もCOVID-19による渡航制限、特に中国側は事実上鎖国状態にあり、研究者の往来および研究サンプルのやり取りが全くできない状態であった。また韓国も外務省渡航中止勧告(レベル3)(途中から、レベル2、不要不急の渡航中止(感染症)に引き下げられた)であったことから、両国の研究者の往来および研究サンプルのやり取りが全くできない状態であった。そのような状況の中、中国・中山大学の倫教授らとの間でiNOSが産生できない動物でのトキソプラズマ耐性についてのメカニズム解析を、iScience誌に出せたことは大きな国際共同研究の成果であった。一酸化窒素(NO)は、ほとんどの宿主の細胞外および細胞内病原体に対して作用する重要な免疫分子である。ただし、Sprague Dawley(SD)ラットで誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS-/-)をノックアウトした後、これらのiNOS-/-ラットはToxoplasmagondii感染に対して完全に耐性があることがわかりました。 iNOS-/-ラット腹腔マクロファージ(PM)がトキソプラズマに感染すると、トキソプラズマによって分泌されるGRA43によって引き起こされる高レベルの活性酸素種(ROS)が生成され、寄生虫空胞膜とPMミトコンドリア膜が損傷した。さらに、高レベルのROSがミトコンドリアのスーパーオキシドジスムターゼ2の枯渇を引き起こし、パイロトーシスと細胞死を誘発した。 iNOS-/-SDラットにおけるT.gondii感染に対する完全な耐性のこの発見は、トキソプラズマ感染に対する免疫におけるNOとROSの間の強い関連を示し、潜在的に新規で効果的な自然免疫システムを示した内容であった。
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