研究課題
本年度は研究計画に従って、以下の研究を遂行した。まず、日本の約100症例の感染者末梢血のHTLV-1プロウイルス解析を完了し、論文にまとめて国際的なピアレビュー雑誌Cell Reportsに掲載された。次に、南アフリカのHTLV-1感染状況を探索するために、分担研究者上野と共にMuhimbili大学: Lyamuya教授との共同研究にて同地域のHIV感染者検体約100例の血清サンプルを取得した。HIV感染者は種々の感染症に関するハイリスク群であると考えられるため、同地域のHTLV感染者の有無について調査を進めている。現在の所陽性者の割合は極めて少ない結果がでている。南アメリカにおけるHTLV-1感染者症例解析に関して、Dr. Juan P. Garrahan Pediatric Hospital:Mangano教授と研究打ち合わせを行っている。これまでに熊本大学とDr. Juan P. Garrahan Pediatric Hospitalとの間に共同研究に関する覚え書きを交わし、臨床検体の解析を行っている。31年4月に行われた国際HTLV会議に研究代表者佐藤もMangano教授も出席したことから、具体的な共同研究の進め方について詳細な打ち合わせをおこなった。海外共同研究者の代表であるインペリアル大学:Bangham教授の研究室から博士研究員のJocelyn Turpin博士が半年間日本に在籍して(JSPS研究員として)本研究課題遂行を行った。南アフリカにおけるHTLV-1感染者症例解析に関しては、ケープタウン大学:Hella医師とメールでやりとりをしており、31年4月に行われる国際HTLV会議に出席する予定であったが欠席となったため、今後の共同研究についてメールにて打ち合わせを行う予定にしている。
2: おおむね順調に進展している
日本の感染者の解析結果が論文として報告した。南アメリカ、アルゼンチン感染者検体解析が順調に進んでいる。南アフリカの検体解析は先方の体制がいまだ整っていないため、予定した進捗には得られていない。
上述のように南アフリカの検体解析は先方の体制がいまだ整っていないため、予定した進捗には得られていない。今後働きかけを続けると共に、他の地域に関しては予定の解析を進めていく。イギリスとの共同研究に関しては、コロナウイルスの状況次第であるが、渡英が難しい場合にはzoomやスカイプなどで密に連絡を取りながら、研究遂行を継続する。
共同研究の状況と新型コロナウイルスの状況などが影響した。次年度以降で使用するので問題無い。
すべて 2019 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
Retrovirology
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