研究課題
本年度は研究計画に従って、以下の研究を遂行した。イギリスとの共同研究に関しては、HIV-1, HTLV-1二重感染者の経時的血液検体を用いて、感染細胞のクローン性解析、ウイルス組み込み部位解析を行った。解析の結果、HIV-1, HTLV-1二重感染者血液検体では単感染者に比べ、HIV-1, HTLV-1のいずれの感染クローンも、クローン性増殖が顕著であった。また、重感染者ではHIV-1のウイルス組み込み部位が、遺伝子間領域に頻度が高いことも判明した。HTLV-1との二重感染による免疫学的機序の結果と考察された。結果をThe Journal of Infectious diseasesに投稿しアクセプトとなった。今年度内にImperial 大学Charles Bangham教授の研究グループとzoomによる合同研究ミーティングを行う、研究進捗の確認と意見交換を行った。また、日英の国際ウェブシンポジウムを開催して日本側2名、イギリス型2名の研究成果発表の機会を設けることで、国際共同研究の加速化を行った。次に、アフリカのHTLV-1感染状況を探索するために、分担研究者上野と共にMuhimbili大学: Lyamuya教授との共同研究にて同地域のHIV感染者検体約294例の血清サンプルを取得し解析した結果、陽性者が0名で同地域のHTLV感染割合は極めて少ないという結果が判明した。南アメリカにおけるHTLV-1感染者症例解析に関しては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、現在休止中である。インペリアル大学:Bangham教授研究室から日本に受け入れたJocelyn Turpin博士はイギリス帰国後しばらくしてから、R02年度中にフランスリヨン大学に教員ポストを取得して移動した。レトロウイルス研究を継続中であり、今後の共同研究についてメールにて打ち合わせを継続して行っている。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 7件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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