研究課題/領域番号 |
18KK0241
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 浩 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80362531)
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研究分担者 |
小林 稔 京都大学, 生命科学研究科, 特定助教 (40644894)
子安 翔 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80781913)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2021-03-31
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キーワード | がん / 浸潤 / HIF-1 / Sima |
研究実績の概要 |
我々の研究室と英国内の海外研究協力者は、これまでに予備的に実施した研究を通じて、『HIF-1を活性化する新規遺伝子』の同定に成功し、『がん抑制遺伝子の機能不全を引き金に、同遺伝子が低酸素誘導性転写因子hypoxia-inducible factor 1(HIF-1)を活性化できるようになり、がん細胞の悪性形質が誘導される』という可能性を見出してきた。またヒト検体を対象にした研究を通じて『同遺伝子の腫瘍内発現量が高い場合に、がん患者の生命予後が不良であること』を見出している。本研究を進展させるためには、同遺伝子からHIF-1へとつながる遺伝子経路を治療標的とする妥当性を確認すること、そして、培養細胞レベルと臨床レベルの研究を繋ぐ動物個体レベルの検証が必須である。そこで令和元年度に本研究プロジェクトでは、これら遺伝子の活性を遺伝子工学的に操作する研究ツールや遺伝子改変動物等の研究資材を用いて、同遺伝子経路の作用機序と機能を解明した。具体的には同遺伝子や・Sima(ヒトHIF-1のショウジョウバエホモログ)の発現ベクター等、ヒト用の研究マテリアルをもとにショウジョウバエ用の各種マテリアルを京都大学で作製し、これを英国に送って独自の遺伝子改変ショウジョウバエを作成した。各遺伝子の機能的相互作用を解析するショウジョウバエ遺伝学研究を英国で実施した。特に、発がんステージを対象にしたin vivo実験をイギリスで展開した。英国側研究者が日本を訪問し、マウスを対象とした実験で同遺伝子経路を標的とするproof of concept(POC)を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画を順調に実施したため
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの問題により、両国を訪問し合って共同研究を実施することが困難な状況ではあるが、Skypeなどを駆使しながら情報交換に努め、予定した研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外渡航制限があったため、当初予定していた英国出張による成果発表ができなかった。次年度の国際会議で研究成果を発表し、さらなる研究の進展を図る予定。
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