研究課題/領域番号 |
18KK0262
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 純子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (70155266)
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研究分担者 |
高橋 陵宇 広島大学, 医歯薬保健学研究科(薬), 准教授 (10625510)
秋田 智之 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (80609925)
杉山 文 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (50778280)
大久 真幸 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (20727250)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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キーワード | SDGs / カンボジア / 妊婦検診 / 小学校健診 / 乾燥濾紙血法 / B型肝炎ウイルス / elimination of HBV |
研究実績の概要 |
ウイルス肝炎対策は持続可能な開発目標(国連SDGs 3.3)の一つであり重要な地球規模課題である。本研究では、代表研究者らのこれまでのカンボジアでの共同疫学研究をもとに抽出したB型肝炎ウイルス(HBV)感染を取り巻く現状と課題に基づき、共同研究者(WHOカンボジア、カンボジア保健省他)とHBV感染排除を目指した総合システムを新たに開発・強化する。【①HBV母子感染対策:妊婦のHBVスクリーニングシステム開発】【②HBVワクチンの効果評価:小学校健康診断システム開発】【③開発途上国での血清疫学調査法の開発:日本製乾燥濾紙血法(DBS)による迅速簡便・安全な検体収集および測定法の技術開発】を研究強化3本柱とする。また、社会医学分野での国際的なリーダーとなっていく若手日本人研究者の育成、国際研究ネットワークの強化を行うことによって、HBVの高浸淫地域であるアジア地区でのウイルス肝炎排除に貢献し、また、未だ明らかになっていないHBV感染の機序をマイクロRNA・テロメア解析等により探索し、同分野における研究を発展させることについても行う計画概要である。 4年計画の1年目本年度は、Skype等によるWebミーティングと31年2月カンボジア現地での打ち合わせにより、主に【①HBV母子感染対策:妊婦のHBVスクリーニングシステム開発】【②HBVワクチンの効果評価:小学校健康診断システム開発】の研究対象地区、選出方法、研究計画書などについて具体的に進めており、カンボジア政府および広島大学での研究倫理承認の取得準備中である。2年目に行う調査開始までに取得予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、 4年計画の1年目本年度は、Skype等によるWebミーティングと31年2月カンボジア現地での打ち合わせにより、主に【①HBV母子感染対策:妊婦のHBVスクリーニングシステム開発】【②HBVワクチンの効果評価:小学校健康診断システム開発】の研究対象地区、選出方法、研究計画書などについて具体的に進めており、カンボジア政府および広島大学での研究倫理承認の取得準備中である。2年目に行う調査開始までに取得予定である。 以上のことからおおむね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
4年計画の1年目は研究計画及び打ち合わせが順調に進んでいることから、カンボジア政府および広島大学での研究倫理承認の取得後、速やかに、調査を開始する。 4年計画の2年目は、【① HBV母子感染対策:妊婦のHBVスクリーニングシステム開発】の調査対象地区、カンボジアの2つのモデル地区協力病院(カンボジア保健省と協議の上決定済み)において、妊婦健診を受診した全妊婦を対象としてHBVスクリーニングパイロット調査(血液採取、質問票調査)を、WHOカンボジア事務局・カンボジア保健省・UHSと協力し実施する。スクリーニングの結果、HBV陽性であった妊婦に対しては追跡調査およびHBV母子感染予防の実態調査を実施する。調査結果をもとに、妊婦のHBV感染およびHBV母子感染成立のリスク因子を多変量解析によって求め、妊婦のHBVスクリーニングシステムに関しカンボジアの制度に合う形での政策提言を行う。 【②HBVワクチンの効果評価:小学校健康診断システム開発】の調査対象地区は、シェムリアップ教員養成学校付属小学校である。学童のHBs抗体陽性率を50%以下、絶対精度3.0%と設定すると、解析に必要なサンプルサイズは1,111人である。検査によってHBs抗体陰性であった児童に対してはカンボジア保健省がワクチン追加接種を実施する。HBワクチン未接種の理由について多変量解析を行い、接種率を高めるための方策を提示する。出生時HBワクチン接種効果評価システムを含む小学校健診制度をカンボジアの制度に合う形で提言する。 【③開発途上国での血清疫学調査法の開発:日本製乾燥濾紙血法(DBS)による迅速簡便・安全な検体収集および測定法の技術開発】については、上記①②の調査から得られた試料をもとに解析を進める予定である
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次年度使用額が生じた理由 |
全体予算のわずか3%が繰り越しとなった。物品費の見積もりが当初よりわずかに下回ったため繰り越しとした。 全体の研究計画への支障は全くない。
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