研究課題/領域番号 |
18KK0269
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
岩井 美幸 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (80723957)
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研究分担者 |
仲井 邦彦 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00291336)
中山 祥嗣 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 次長 (00368705)
小林 弥生 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (00391102)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2021-03-31
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キーワード | 乳歯 / 重金属 / 必須微量元素 |
研究実績の概要 |
胎児期から乳児期の重金属曝露や必須微量元素の欠如と神経発達に対する影響との関連について多くの報告があるものの、どの時点にどの量の曝露や欠如が起きることが、神経発達に影響するかについては、学術的に明らかにされていない。近年、乳歯を用いて胎児期から乳児期までについて、経時的かつ包括的に複数の元素の変遷や母乳の摂取期間を評価し、子どもへの影響時期(臨界期, Critical window)ついて報告し、本分野の技術的かつ研究的革新があった。そこで、本研究では乳歯の元素分析のハイスループット分析法の確立を行い、胎児期から乳児期までの必須元素等の栄養状態及び重金属の曝露実態を明らかにすることを主な目的とする。本研究では、長期的な曝露を評価できる乳歯中の元素分析を行うとともに 、胎児期から乳児期までの必須元素等の栄養状態及び重金属の曝露実態を明らかにすることを目的とし研究を進めた。乳歯中の各種元素(約20元素)を1週間の分解能で妊娠中期から生後10ヶ月頃の期間を分析した。その結果、乳歯中のストロンチウム(Sr)、マンガン(Mn)、バリウム(Ba)および亜鉛(Zn)レベル(カルシウムとの比)は、出生前後に特徴的な変化を示すことが明らかとなった。さらに母乳栄養、人工栄養(粉ミルク)または混合栄養によって、いくつかの元素レベルが顕著に異なること、出生前後の長期的な鉛曝露の推移を捉えることもできた。
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