| 研究課題/領域番号 |
18KK0272
|
|---|
| 研究機関 | 東京大学 |
|---|
研究代表者 |
中澤 公孝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90360677)
|
|---|
| 研究分担者 |
井尻 哲也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (10784431) [辞退]
小川 哲也 日本女子大学, 家政学部, 講師 (60586460)
MILOSEVIC MATIJA 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (50840188)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
|
| キーワード | 機能的電気刺激 / ニューロリハビリテーション / 脳再編 / 可塑性 |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究の最終目的は「機能的電気刺激（FES）療法の治療的効果」を導く神経機序を解明することにある。この目的を達成するために、健常者を対象とした実験室研究（日本）と、FES療法臨床研究（トロント）の両面からアプローチする。これらの研究を通じ、「FESは脊髄反射経路を抑制することで筋トーヌスを減弱させ、それが随意運動の遂行を容易にし、その繰り返しが随意運動自体を改善する」との仮説を検証する。実験室研究では、多髄節脊髄反射誘発法、経頭蓋磁気刺激、fMRIを駆使してFESの神経生理学的影響を明らかにする。
当該年度は、コロナの影響でトロントでの実施を予定していた患者を対象とした臨床研究を大幅に変更し、FES刺激の基礎研究実施に変更した。トロントリハセンターにおいて、FESを末梢神経刺激で実施する場合と神経筋接合部で実施する際の神経生理学的効果の違いを調べた。その結果、神経筋接合部刺激の特性が明らかとなり、リハビリ応用における神経生理学的根拠を得ることができた。日本では歩行トレーニングとFESを組み合わせて実施するための着用型FESと歩行ロボットの併用システムの構築と予備実験を実施した。また前年度までに実施した高次脳機能障がい者へのFES介入実験の成果を論文にまとめる投稿した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍で実験の進捗に遅れが出たり、トロントの交流が困難になったため、当初の研究計画からは大幅な変更を余儀なくされた。しかし、トロントでの実験で当初の予定外の大きな成果が得られたり、日本側の研究も予想以上の成果が上がり、計画以上の成果を上げることができていることから、自己点検評価は高いものとなった。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本研究の残り期間は、歩行トレーニング機と着用型FESを併用するシステム構築とその神経生理学的効果を調べるための実験系構築の完成を目指す。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によって先方との相互の旅費使用が発生しなかったこと、実験ができなかったことから次年度使用せざるを得なくなった。
次年度は、FESを用いた日本での実験が中心になるが、これにかかる費用に繰り越した研究費を充てる予定である。
|
