研究課題
代表者らの研究グループは、そのプラットフォームの一つであるADVENTUREの開発を推進している。一方、ドイツにおいてもProf. Wittum率いる研究チームがUG4を開発している。両者とも世界各国において利用されユーザ数も年々増加しているが、近年需要が高まっている電磁界解析は世界的に見ても高機能なプラットフォームがなく、機能強化が求められている。そこで本研究課題では、相補的機能強化を通じてADVENTUREおよびUG4を電磁界解析分野でリーディングエッジの役割を担えるプラットフォームへと昇華させる。特にADVENTUREでは非定常の高周波電磁界解析機能、UG4では高精度な電流密度解析機能を重点的に開発する。また、開発した両プラットフォームを接続することで、日本・ドイツ共通の解決すべき課題である落雷時の感電事故防止に向けた非定常高周波電磁界―非定常電流密度の大規模連成解析手法を確立する。今年度は、代表者が開発している高周波電磁界解析オープンソース・ソフトウエア:ADVENTURE_FullWaveの領域分割型並列化アルゴリズムのうち、部分領域解法にマルチフロンタル法に基づく疎行列直接法を導入するなど、更なる高速化検討を中心とした研究開発を実施した。1億要素程度のベンチマーク問題により、ADVENTURE_FullWaveに元々実装されている部分領域ソルバであるガウス消去法と、マルチフロンタル法に基づく疎行列直接法の比較を、部分領域サイズである部分領域1つに含まれる要素数を100-10,000の幅で変化させ実行した。本数値実験より、部分領域に含まれる要素数が400程度以上の場合、疎行列直接法が有利であることがわかった。以上の結果より、パッケージソフトウエア:AnsysHFSS等によってでは求解できない1億要素規模の大規模問題において、ADVENTURE_FullWaveが計算可能であり、また、部分領域解法の効率化により、計算速度を更に向上させることが可能であることが示された。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 1件)
Proceedings of ICAROB2024, Oita, Japan, Feb. 22-25, 2024
巻: 2024 ページ: USB
電子情報通信学会論文誌 C
巻: J107-C ページ: 47~57
10.14923/transelej.2023JCP5002
日本シミュレーション学会論文誌
巻: 15 ページ: 87~93
Proceedings of The 42th JSST Annual Conference: International Conference on Simulation Technology, Nigata, Japan, Aug. 29-31, 2023, USB
巻: 2023 ページ: USB
Proceedings of Compumag2023, Kyoto, Japan, May. 22-26, 2023, USB