研究課題/領域番号 |
18KK0280
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252320)
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研究分担者 |
松井 淑恵 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10510034)
Shehata Mohammad 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60444197)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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キーワード | flow state / choking / interpersonal / SSSEP / AEP |
研究実績の概要 |
昨年度の計画は、フローおよびチョーキング状態のモニタリングシステムの構築:音楽ゲーム等を利用して極度の忘我状態に陥りやすい状況を作り出し、その状況下でAEP (auditory evoked potential)、あるいはSSSEP (somatosensory evoked potential)を計測可能なセットアップをまずはCaltechに構築すること、および、複数の参加者に対して同時にこれらAEP, SSSEPを計測可能な実験環境(hyper-scan)を構築することであった。実績として、音楽リズムゲームを実施している複数の実験参加者がnon-flow状態, individual flow状態、interpersonal flow状態となる実験環境を確立することができた。さらに、複数の実験参加者から同時に脳波を計測し、これら3つの状態に違いがあることを見出し、特に、individual flow状態とinterpersonal flow状態の間に顕著な違いを見出した。このことは、interpersonal flow状態が、単なる個々人のflow状態の重ね合わせではなく、social interactionなど別の活動と密接にリンクした状態であることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画ではflow状態を作り出す実験デザインとhyper-scanを実施できる計測環境を構築することが昨年度の目標であったが、実際にはこうした実験準備に加えて実質的な計測実験を実施することができ、さらにindividual flowとinterpersonal flowの状態に関わる脳内システムに違いがあることを見いだすことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、若手研究者であるMohammad Shehataが断続的に米国カリフォルニア工科大学に出向くとともに、研究代表者の中内、研究分担者の松井、日根とProf. Shinsuke ShimojoおよびShimojo Psychophysics Labとの国際研究をさらに活発化させる。具体的には、フローおよびチョーキング状態のモニタリングシステムの構築:音楽ゲーム等を利用して極度の忘我状態に陥りやすい状況を作り出し、その状況下でAEP (auditory evoked potential)、あるいはSSSEP (somatosensory evoked potential)を計測可能なセットアップをCaltechと豊橋に構築する。また、CaltechにあるfMRI等を用いて、具体的な神経ネットワークを同定する。本項目は主にCaltechにおいて実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度予定していた研究打ち合わせ(米国にて実施)が次年度に変更になり、その旅費分の差額が生じたため。
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