研究課題/領域番号 |
18KK0285
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
保川 清 京都大学, 農学研究科, 教授 (30397559)
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研究分担者 |
野原 康伸 九州大学, 大学病院, 助教 (30624829)
兒島 憲二 京都大学, 農学研究科, 助教 (40542759)
横田 文彦 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 講師 (50760451)
吉高 淳夫 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60263729)
滝田 禎亮 京都大学, 農学研究科, 助教 (70263126)
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研究期間 (年度) |
2019-02-07 – 2023-03-31
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キーワード | ゲノムプロフィリング / HIV-1 / エイズ / 変異 / 温度勾配ゲル電気泳動 / データベース |
研究実績の概要 |
HIV-1の治療には各種のHIV-1逆転写酵素阻害剤が使われている。HIV-1逆転写酵素では、各種阻害剤に耐性となる変異が多数報告されているため、その配列決定を行ってから、有効な阻害剤を選択しなければならない。しかし、医療現場で本配列決定を行うことは、新興国では設備上困難である。本研究では、インドのジャイプルに集中研究室を設立し、変異の迅速な検出を実現することを目的としている。2018年度は、ビヤニ、保川、横田がデリー(インド)のインド大使館を訪問し、大使館秘書、独立行政法人国際協力機構(JICA)インド事務所駐在員と、インドでの活動について意見交換を行った。さらに、本研究を行う上で、ラジャスタン州の協力が得られるよう、インド大使館あるいはJICAから同州に働きかけていただくことを依頼した。そして、ビヤニ大学(ジャイプル)に集中研究室を設置した。現在、集中研究室のセットアップと実験を行う学生の教育を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・集中検査室の設置: 2018年6月にビヤニ、保川、横田がデリー(インド)のインド大使館を訪問し、大使館秘書、独立行政法人国際協力機構(JICA)インド事務所駐在員に本研究に対する支援を依頼した。12月にビヤニ大学(ジャイプル)内に集中研究室を設置した。2019年2月に保川がビヤニ大学を訪問し、ビヤニ大学学生にRNA増幅法を指導した。現在、引き続き、集中検査室のセットアップを行っている。 ・TGGEによる変異の判別:変異検出のモデルとして、184位のアミノ酸残基がMetである遺伝子とValである遺伝子を検出する系を設計した。今後、実際に変曲点がどの程度異なるかを調べる。 ・TGGEの変曲点を検出するソフトウエアの開発:2018年度は、ある点における濃度値とその点が右方向に関して上下どの向きに進行しているかを判定し、順次一つの連続した線として保持し、線幅の情報を確定させることをめざした。そのために、各軌跡に対して、シグモイド関数のパラメータを変更しつつ、フィッティングに関する評価関数の値を求め、評価関数の幅により、軌跡を推定する処理を組み込むことに取り組んだ。また、京都大学でTGGEを行い、目視で変曲点を求める作業を行っている担当者と議論し、多くのTGGEパターンを入手した。
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今後の研究の推進方策 |
下記の3項目を実施する。 1.ラジャスタン州のハイリスク者中のHIV-1感染ハイリスク者の同定と見積もり:ラジャスタン州のハイリスク者の間でHIV-1感染の広まりを予測するのに役立つウエブサイトと質問インタビューを設計・開発する。ラジャスタン州のハイリスク者の間でHIV-1感染の広まりを予測するのに役立つ臨床テストデータを収集する、DEPSORを動力源としたPHC(可動型健康診断)依存型システムを設計・開発する。 2.RPAとDEPSORを用いた、HIV-1感染の診断のための、現場で使用可能な迅速分子テストの開発:乾燥型RPA試薬を調製し、HIV-1ウイルス量と薬剤耐性変異を、DEPSORを用いて電気化学的にモニタリングする。 3.TGGE解析を用いた、HIV-1の遺伝型多様性の分子診断法の開発:まず、HIV-1逆転写酵素のM184Vの変異を検出する系をモデルとして用いる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題が追加採択され、研究費の使用が可能になったのが、2018年度末であったために、当初の2018年度予算全額を、2018年度に使うための十分な使用計画をたてることができなかった。
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