研究課題
近年、アフリカ諸国では急速な資源開発がすすめられている。そのため急激な環境の汚染が顕在化しており、一部の国では生態 系や家畜・ヒトにおける健康被害が報告されるようになった。化学物質は、食糧生産や感染症制圧には必要不可欠であるが、途 上国では化学物質汚染によるリスクを度外視して使用している現状がある。2018年度に発表された大気汚染度を国別で分析した データでは世界ワースト10のうち7か国はアフリカで占められている。化学物質による脅威(ケミカルハザード)については、 目に見えにくい潜在的な性質のため、対策が後手に回される傾向が強い。本研究では、アフリカでもっとも問題となっている金 属、農薬についてその現状を明ら かにすること、およびフィールドトキシコロジーの概念により、そのメカニズムと現象を結びつけることを目的としている。本研究は2020年度にコロナ感染症により現地への渡航ができずに2021年度に研究の延長を行った。しかしながら、同じく新型コロナ感染症により、2021年度についても、渡航による試料採集が難しく、予定3か国の内、ザンビア1カ国への渡航を実施した。一方で、これまでに輸入済みの南アフリカの試料についても優先的に分析を行った。環境化学物質の重度汚染地域において生活しているヒト試料についてエピゲノム解析を実施し、またセンチネル動物としてイヌにおけるゲノム解析を行った。野生げっ歯類および人についてメタボローム解析を行い、データ分析を進めている。
2: おおむね順調に進展している
コロナ感染症のため海外への渡航がかなわなかったが、これまでに輸入済みの試料を優先的に分析することで研究そのものは推進できている。
渡航して採集予定であった試料について、2022年度に渡航・採集し分析を行う。
現地に渡航をして試料採集を行う予定であったが、コロナ感染症のために渡航できなかった。そのため、試料採集を2022年度に延長する。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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