研究課題/領域番号 |
18KK0290
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 宏明 京都大学, 工学研究科, 教授 (70344017)
|
研究分担者 |
花本 征也 金沢大学, 環境保全センター, 講師 (10727580)
小川 文章 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 上席研究員 (60589133)
|
研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2021-03-31
|
キーワード | 抗生物質 / 河川 / 桂川 / テムズ川 / 減衰速度 / 底質 / 収着 |
研究実績の概要 |
(1)過年度の研究から、京都府の桂川や英国のテムズ川において速い速度で減衰していることが明らかとなった。そこで、本年度は、桂川とテムズ川における抗生物質4種(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、スルファピリジン、スルファメトキサゾール)の減衰速度を比較した。両河川区間とも、アジスロマイシンが最も減衰が大きく、80%以上が減衰しており、半減期は2~3時間程度であった。また、アジスロマイシンと同じマクロライド系抗菌剤のクラリスロマイシンも減衰は大きく、テムズ川区間では50%程度が減衰していた。サルファ剤2種の減衰は小さく、スルファピリジンは10%程度、スルファメトキサゾールはほとんど減衰しなかった。テムズ川における抗生物質の減衰速度定数は、桂川のものと比較して、クラリスロマイシンが4.4倍、アジスロマイシンとスルファピリジンが1.2倍高い値を示し、クラリスロマイシンの減衰速度定数が両河川において大きく異なっていた. (2)OECDのガイドラインに基づき、対象抗生物質の河川底質への収着実験を行った。吸着剤には、桂川とテムズ川の河川区間内で採取した底質を用いた。両河川区間とも、アジスロマイシンが最も減衰が大きく、80%以上が減衰しており、半減期は2~3時間程度であった。また、アジスロマイシンと同じマクロライド系抗菌剤のクラリスロマイシンも減衰は大きく、テムズ川区間では50%程度が減衰していた。サルファ剤2種の減衰は小さく、スルファピリジンは10%程度、スルファメトキサゾールはほとんど減衰しなかった。テムズ川における抗生物質の減衰速度定数は、桂川のものと比較して、クラリスロマイシンが4.4倍、アジスロマイシンとスルファピリジンが1.2倍高い値を示し、クラリスロマイシンの減衰速度定数が両河川において大きく異なっていた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでのデータ解析、試料による実験を継続できた。 研究開始時期が後半であったこと、研究メンバーの異動があったことから現地調査は翌年になったが、日英研究者が一堂に会したワークショップが英国で開催され、参加した。
|
今後の研究の推進方策 |
共同研究共同者の異動後の研究環境整備ができた後、英国調査を実施するとともに、日英研究者が会するワークショップに参加し、意見交換する
|
次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者に異動が生じ、研究環境整備に時間が必要となったため、今年度の現地調査を次年度以降に変更した。
|