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2020 年度 実施状況報告書

英国テムズ川における抗生物質の水環境中動態のモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0290
研究機関京都大学

研究代表者

田中 宏明  京都大学, 工学研究科, 教授 (70344017)

研究分担者 花本 征也  金沢大学, 環境保全センター, 講師 (10727580)
小川 文章  国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 上席研究員 (60589133) [辞退]
山下 洋正  国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 上席研究員 (80355940)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2022-03-31
キーワード化学物質 / 抗生物質 / 流域 / 畜産
研究実績の概要

日英両国間の研究者の合意に基づいて、「処理排水中及び環境中の主要な内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質及び新たな化学物質の挙動の推定並びにそれら化学物質の環境中への排出の低減」を主要なテーマ(課題)として調査研究を実施している。
令和2年度に実施した化学物質及び医薬品類等の下水処理過程及び環境中での挙動等に関する検討に関する調査研究から得られた成果をまとめ今後の課題を整理した。新型コロナパンデミック発生により、国際交流がストップした。しかしながら、WEBベースの出の研究交流は継続した。
医薬品が水環境中から検出されており、水生生物への影響が懸念されている。また、抗生物質に関しては、水環境中が薬剤耐性菌の発生場になる可能性も危惧されている。医薬品はヒトと家畜の両方に使用されており、ヒトに投与された医薬品は、下水処理場又は浄化槽から水圏に排出されることが過年度の研究からも明らかになっている。一方で、家畜に投与される動物用医薬品の水圏への流出・排出経路は複雑であり、まだ十分な知見は得られていない。欧米では、豚や牛の糞尿は主に液肥として農地・牧草地に散布されるため、動物用医薬品の水圏への主な流出経路は農地と放牧場であると考えられている。一方で、日本を含めたアジアでは、家畜糞尿処理に対して排水処理が重要な役割を担っており、過年度の研究では、淀川水系において、畜産排水処理施設が動物用医薬品の主要な排出源であることが示唆された。そこで、昨年度から本年度にかけて、国内有数の畜産地域である都城盆地を流れる大淀川に3おいて、動物用医薬品の河川調査を行った。また、動物用医薬品の排水としての水圏排出量を予測するモデルを構築した。モデル予測値と、河川調査による実測値とを比較することで、動物用医薬品の水圏流出量の予測可能性について考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

日英での物的な交流や現地調査が、新型コロナ禍でできないため。

今後の研究の推進方策

日英間の物理的な研究交流ができなくとも、研究が推進ができるよう、方向を変更している。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ禍のため、海外調査や国際研究交流が、この2年間進んでいいないため、旅費が執行できていないことが原因である。新型コロナ禍の世界的流行の収束を待って、海外調査や国際交流を開始したい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] Centre for Ecology and Hydrology(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Centre for Ecology and Hydrology
  • [雑誌論文] Biological-activity-based prioritization of pharmaceuticals in wastewater for environmental monitoring: G protein coupled receptor inhibitors.2020

    • 著者名/発表者名
      Zhang, H.; Ihara, M.O.; Nakada, N.; Tanaka, H.; Ihara, M.
    • 雑誌名

      nvrion. Sci. Technol.

      巻: 54 ページ: 1720-1729

    • DOI

      10.1021/acs.est.9b05768

    • 査読あり
  • [学会発表] 大淀川における動物用医薬品の通年調査と排出量予測2021

    • 著者名/発表者名
      花本征也、池本良子
    • 学会等名
      第 55 回日本水 環境学会年会、
  • [学会発表] Prediction and management of emerging chemicals in the water environment2020

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Tanaka, Masaru Ihara , Hiromasa Yamashita, Seiya Hanamoto
    • 学会等名
      The 22nd UK-Japan Annual Scientific Workshop Research into Environmental Endocrine Disrupting Chemicals & Chemicals of Emerging Concern
    • 国際学会
  • [図書] ,Attenuation and fate of pharmaceuticals in river environments. in: Manish KumarFrancisco Munoz-ArriolaHiroaki FurumaiTushara Chaminda:resilience, response, and risk in water systems.2020

    • 著者名/発表者名
      Hanamoto, S.
    • 総ページ数
      241-260
    • 出版者
      Springer-Link
    • ISBN
      978-981-15-4668-6

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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