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2023 年度 研究成果報告書

海水温上昇にともなう大型回遊魚の分布域の変化を予測するモデルの構築

研究課題

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研究課題/領域番号 18KK0293
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

配分区分基金
審査区分 中区分63:環境解析評価およびその関連分野
研究機関総合研究大学院大学 (2023)
国立極地研究所 (2018-2022)

研究代表者

渡辺 佑基  総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 教授 (60531043)

研究分担者 中村 乙水  長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 助教 (60774601)
松本 瑠偉  一般財団法人沖縄美ら島財団(総合研究センター), 総合研究センター 動物研究室, 上席研究員 (90816430)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2024-03-31
キーワード行動生態 / 環境適応 / 水温 / 魚類
研究成果の概要

バイオロギングの手法を用いて大型回遊魚の遊泳行動、環境水温、体温を計測し、代謝速度のデータと組み合わせて解析した。ヨシキリザメは大きな体に起因する熱の慣性力を利用し、常時潜水を繰り返すことによって、体温を一定の幅に収めていた。北極のニシオンデンザメは低い体温のために代謝速度が低く、少量の食べ物で正のエネルギー収支を維持できることがわかった。魚類の代謝速度を種間で比較したところ、硬骨魚類においては水温の影響を和らげる進化の形跡が見られたが、軟骨魚類ではそうした形跡が見られなかった。気候変動に伴う水温変化に対し、軟骨魚類は硬骨魚類よりも鋭敏に反応し、分布域を大きく変化させる可能性がある。

自由記述の分野

海洋生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

大型回遊魚がなぜ深い潜水を繰り返すのかについて、これまで様々な議論があったが、明瞭な答えは出ていなかった。本研究では、サメの深い潜水には獲物の探索と体温調節という2つの機能があることがわかった。また、魚類の水温適応が硬骨魚類と軟骨魚類で異なることが明らかになった。気候変動に伴う水温変化に対し、軟骨魚類の方が鋭敏に反応する可能性を示唆するもので、種の保全や水産資源管理に深い示唆を与える発見である。

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公開日: 2025-01-30  

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