研究課題
(1)本年度は3年間の検討で明らかとなったエルデネト地域における河川水のモリブデン汚染状況およびそのメカニズムを学術誌に報告した(Tsetsgee et al., 2021)。(2)エルデネト地域の河川水のモリブデン汚染は地下水の混入によることをこれまでの検討から明らかにしている(Tsetsgee et al., 2021)。そこで本年度はエルデネト地域に存在する井戸の広域水質調査を9月に行った。その結果、昨年の予察的結果と同様に、尾鉱沈殿池周辺の地下水および鉱床周辺の地下水が高濃度のモリブデンを含む一方、市内を含むその他の井戸のモリブデン濃度は健康影響を及ぼすほど高くないことが明らかとなった。(3)モンゴル南部塩湖の水質の長期モニタリング結果を取りまとめた。その結果、河川により運ばれるウランは乾燥に伴う蒸発により湖水に濃集することを見出した。多くの重金属は濃度が増加すると、鉱物化したり、鉱物に吸着したりして湖水に蓄積することはない。これに対し本観測は大陸内部の塩湖の水質条件ではウランはナトリウムや塩化物イオンと同様に溶液中に蓄積することを示した(Gankhurel et al., 2022)。
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