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2023 年度 実績報告書

東南アジア・南アジアにおけるヒ素汚染地下水の生物学的浄化方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0302
研究機関東北学院大学

研究代表者

宮内 啓介  東北学院大学, 工学部, 教授 (20324014)

研究分担者 井上 千弘  東北大学, 環境科学研究科, 教授 (30271878)
黄田 毅  東北学院大学, 工学総合研究所, 研究員 (40727442)
遠藤 銀朗  東北学院大学, 工学総合研究所, 客員教授 (80194033)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2024-03-31
キーワードヒ素汚染 / 地下水浄化 / カンボジア
研究実績の概要

ベトナムとカンボジアのメコンデルタ地帯で起こっている自然由来のヒ素による地下水汚染問題に対して、海外の研究者と共同で、低コスト・省エネの地域結合型新規浄化技術を開発することを目的としている。カンボジアで取り組んでいる亜ヒ酸酸化によるヒ素浄化処理については、コークスを微生物担体とした散水ろ床型処理装置を、現地の井戸の横に設置して運転を行なってきた。2022年度末をもって土地の貸借契約期間が終了したため、新たな設置場所を探し、プノンペン郊外のPrek Tmeiの小学校に場所を借りて設置することにした。4月に移設工事を初め、6月から運転を開始した。この小学校に設置されている井戸水は、pHが約7.3(測定期間のデータの平均、以下同様)、ECが約0.97μS/cm、全ヒ素濃度が約100ppbであった。全ヒ素のうち、約80%が亜ヒ酸であり、これは地下水の還元的状態を表しているといえる。装置は、原水を貯めるタンク、その下流にコークスを詰めたタンクを用意し、コークス上部に散水するように原水を供給した。コークス槽を出た水は、砂利で粗ろ過(砂利を入れたタンクの下部から処理水を通し、上部に出たFlow-throughを次の工程に流す)した後、低速砂濾過処理を行い、処理水とした。流量は1000L/日から始めて、最終的には2000L/日で実験を行った。水質のチェックは、原水、コークス槽出口、処理水、の3ヶ所で行った。全ヒ素濃度は、原水が約100ppb、コークス処理後約80ppb、処理水約50ppb、であった。亜ヒ酸濃度は、原水が約80ppb、コークス処理水が約10ppb、処理水が検出限界以下であった。コークス槽で大部分の亜ヒ酸がヒ酸に酸化され、原水に4-5ppm含まれている鉄と共沈することで、カンボジアの水質基準である50ppbにまでヒ素濃度が低下したと考えられる。

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公開日: 2024-12-25  

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