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2018 年度 実施状況報告書

ヒトiPS細胞由来肝細胞の動物生体内大量培養システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0307
研究機関大阪大学

研究代表者

真下 知士  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80397554)

研究分担者 吉見 一人  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50709813)
武石 一樹  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50733713)
研究期間 (年度) 2018-10-09 – 2022-03-31
キーワードヒト肝細胞 / iPS細胞 / 免疫不全ラット / ゲノム編集 / 肝移植
研究実績の概要

ヒトiPS細胞からヒト肝細胞(iPS-Heps)を大量に作成する方法ができれば、肝移植におけるドナー不足や拒絶反応等の問題を解決できる。我々は、これまでピッツバーグ大学により作成されたiPS-Heps培養プロトコールを利用して、ゲノム編集により作製した免疫不全ラットの肝臓に細胞移植することで、世界で初めて動物肝内でヒトiPS-Heps細胞の大量培養に成功した。本研究では、ラット肝臓内から大量に増殖したiPS-Hepsを100%回収することを目的として、自殺遺伝子iCasp9を導入した免疫不全ラットを作製し、全てのラット肝細胞を細胞死させることで、ヒトiPS-Heps細胞のみを生成する方法を確立する。本研究により、肝不全に対する革新的新規治療法を開発するだけでなく、創薬でのヒト肝細胞の大量利用を実現することが可能となる。
本研究では、Bioreactorとしてラット肝臓内でiPS-Hepsを成熟させ、ヒト肝細胞を大量に作り出す方法の確立を目指している。これまでの研究成果は、論文として投稿するための準備を開始している。関連する研究内容は、国内学会で4回、国際学会で1回報告している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大阪大学において、ゲノム編集技術CRISPR-Cas9を利用してIl2rg,Rag2ダブルノックアウトラットを作製し、系統の確立、繁殖維持コロニーの確立を行った。我々が新規に開発したゲノム編集による効率的なノックイン法Combi-CRISPRを使って、肝臓特異的発現iCasp9遺伝子をノックインラットの作製を試みている。九州大学においては、ヒトiPS細胞の培養を行い、内胚葉に分化させることでヒトiPS-Heps細胞の作製を試みている。
本年度は初年度であり、平成30年度開始当初の研究計画に従って、おおむね順調に進展していると自己評価する。

今後の研究の推進方策

平成31年度は、大阪大学においてIl2rg,Rag2ダブルノックアウトラットコロニーの繁殖維持を行う。効率的なノックイン法Combi-CRISPRを使って、iCasp9遺伝子あるいはCas9ノックインラットの作製を行う。最終的に、iCasp9ノックインラット重度免疫不全ラットを作製する。九州大学においては、培養したヒトiPS細胞を内胚葉に分化させて、HGF、DMSOにて10日間さらに培養しヒトiPS-Heps細胞を確立する。分化後の細胞のHNF4α、FOXA2、アルブミン等の発現量を免疫染色およびqPCRを用いて評価し、iPS-Hepsの分化能を確認する。
吉見研究分担者が、実際にピッツバーグ大学に滞在して、iPS-Hepsの作成方法、分化能評価方法等についての研究を推進する。大阪大学および九州大学において完成したIl2rg Rag2 iCasp9免疫不全ラットの肝臓内にヒトiPS-Hepsを経門脈的に細胞移植することで、ヒト肝細胞を大量に作り出す方法の確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

本年度は初年度であり、平成30年度開始当初の研究計画に従って、おおむね順調に進展している。次年度にノックインラットの作製および系統の確立、繁殖コロニーの拡大などが予測されるため、旅費および消耗品等の費用を計上する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (3件)

  • [国際共同研究] ピッツバーグ大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ピッツバーグ大学
  • [学会発表] CRISPR-mediated genome engineering and its application in animal models2019

    • 著者名/発表者名
      Tomoji Mashimo
    • 学会等名
      22nd US-Japan Cellular and Gene Therapy Conference, Adeno-associated Virus-Mediated Gene Therapy Gene Therapy
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] トランスレーショナルリサーチにおけるゲノム編集への期待と限界2019

    • 著者名/発表者名
      真下知士
    • 学会等名
      塩見雅志准教授退職記念祝賀会・シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] ゲノム編集の最新技術動向2018

    • 著者名/発表者名
      真下知士
    • 学会等名
      第24回国立大学法人動物実験施設協議会高度技術研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] マウス・ラットモデル作成の新展開2018

    • 著者名/発表者名
      真下知士
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会バイオテクノロジーセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] マウス・ラットにおけるゲノム編集技術の現状2018

    • 著者名/発表者名
      吉見 一人、真下知士
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
  • [備考] 大阪大学大学院医学系研究科実験動物学講座

    • URL

      http://www.iexas-osaka-u.jp/lab/

  • [備考] 大阪大学大学院医学系研究科附属共同研ゲノム編集センター

    • URL

      http://www2.med.osaka-u.ac.jp/gerdc/

  • [備考] 重症免疫不全(SCID)ラット

    • URL

      http://www2.med.osaka-u.ac.jp/gerdc/srpo/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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