研究実績の概要 |
・2019年5月~11月の6ヶ月間,ミシガン大学に滞在し,Kevin Fu 准教授らとともに,レーザを用いてセンサに誤情報を挿入する攻撃のアナログサイバーセキュリティに関する共同研究を行った. ・渡航前に,基課題において,レーザーを照射することで,マイクに音声信号を挿入できるという基礎結果を得ていた.この結果を用いると,スマートスピーカーに遠隔からレーザー照射を行うことで,無音でコマンドを挿入できてしまう脅威があることに着目し,滞在中の主テーマとして取り組んだ. ・Google Home, Amazon Alexa, Apple Siri を始めとする実デバイスを対象に実験を行い,100メートル以上の遠隔からコマンド挿入が可能であり,またその結果として,スマートロックの解錠や車両のエンジン始動などの深刻な被害を引き起こしうることが分かった. ・社会上の実被害が出る可能性のある攻撃であったため,Google, Amazon, Appleを始めとする企業や,アメリカ食品医薬品局,および産業機器インシデントレスポンスチーム (ICS-CERT) に対して責任ある脆弱性開示を事前に行うとともに,攻撃の理解と対策法について協力を行った.各社・各機関と定めた情報開示期限が切れる 2019年・11月のタイミングで,成果をまとめた技術レポートと解説動画を公開した.これは大きな反響を呼び,New York Times, CNN, および Washington Post などの一流メディアで報道された. ・技術的詳細をまとめた学術論文を現在投稿中である.
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