本年度は,研究課題の採択内定交付が1月末であったため,実質的には2か月未満の研究期間しかなかったため,これまでには目立った研究実績はないが,渡航先の共同研究者との打ち合わせを数回行い,研究の実施プロセスの明確化や利用する計算機システムについての理解を深めた。現在のGlobal-IE-labは多地域間産業連関表を前年のデータを基に翌年の経済データを制約条件として追加し,逐次的に最適化計算によって翌年の多地域間産業連関表を作表する。したがって,2050年などの長期シナリオに対応した多地域間産業連関表を構築する場合でも,逐次更新のデータが必要であり,また計算時間や計算機の性能も高く要求される。計算システムの根本的な構造の変更は他への研究利用も継続していることから困難であるため,制約条件の付与の方法やデータ構築の工夫によって対処することを検討した。
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