研究課題/領域番号 |
18KK0324
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長野 明子 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90407883)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2021
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キーワード | レキシコン / 派生形態論 / 言語接触 |
研究実績の概要 |
今年度は、国際共同研究加速基金(A)の主たる課題である、「外国機関滞在とそこにおける海外研究者との共同研究」に取り組んだ。米国のオハイオ州立大学言語学科に滞在し、同学科に所属するAndrea Sims准教授と言語学形態論についての共同研究を行った。2019年9月に渡米し、本来ならば1年間滞在する予定であったが、新型コロナウィルスの世界的大流行を受け、2020年3月に帰国した。
オハイオ州立大学滞在中に、同言語学科との今後の共同研究の基盤を作ることができた。そして、研究課題のうち、英語の派生形態論のトピックに関連する重要な一次データを、母語話者言語実験を行うことによって得ることができた。また、Oxford English Dictionaly Onineや大型電子コーパスからの網羅的言語データ収集を行い、それを言語理論を用いて分析し、これまで知られていなかった形容詞派生形態論の規則を見つけることができた。その結果については、今後、論文や学会発表で公開していく予定である。また、研究課題のうち、言語接触のトピックについては、同大学言語学科に所属するBrian Joseph教授、Donald Winford教授といった専門家から研究助言を受けることができた。
さらに、もう一人の海外共同研究者であるVincent Renner氏(リヨン大学)とは、日本語・フランス語・英語の3言語を比較する対照研究を行い、その結果を国際学会で発表することができた。Renner氏とはメールでディスカッションを常時継続しており、2021年夏に形態論の国際学会で共同でワークショップを主催することも決まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究費の交付申請を行ったのが2019年6月であるが、そこから約9か月で、主たる外国機関での研究活動を実施し、今後仮説検証に使える貴重な一次データを収集することができただけでなく、研究成果出版や研究発表に向けた準備も行うことができた。従って、順調に進展しているといってよいと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの世界的流行が本課題の実施に影響を及ぼしている。主たる外国機関であるオハイオ州立大学では、滞在期間が約半年分短くなり、もう1つ滞在を予定していたリヨン大学にはいつ訪問できるかも見通しが立たない。リヨン大学への滞在計画は変更しなければならないかもしれない。遠隔共同研究方式に切り替えることも検討したい。共同研究者のAndrea Sims氏とVincent Renner氏とはこれまで通り連絡を密にとり、共同研究を推進していく予定である。
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