研究課題/領域番号 |
18KK0324
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
長野 明子 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (90407883)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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キーワード | 語形成 / 借用 / 派生形態論 / 複合 / 多重具現 / 英語史 / 言語接触 |
研究実績の概要 |
令和4年度の研究活動の大きな柱の1つは海外共同研究者のひとりであるVincent Renner教授(フランス、リヨン大学)との共同研究の推進である。まず、Renner教授およびAleksandra Bagasheva教授(ブルガリア、ソフィア大学)と共同で、2022年6月にスロバキアにて対面で語形成に関する国際ワークショップを開催した。そのワークショップでは、本研究課題に関係する研究発表を日本とヨーロッパ各国から合計9本集めた。次に、2022年9月以降この成果を統合し、Competition in Word-Formationと題する論文集として出版する企画を進めている。すでに出版プロポーザルはJohn Benjamin Publishing Co.の言語学シリーズの1つ Studies in Language Companion Series (SLCS) で認められており、合計12本の英語論文について査読を済ませている。2023年度にRenner教授、Bagasheva教授共同で巻頭論文を執筆し、論文集として出版する予定である。 また、語形成と借用の競合については、2023年1月に行われたDaSic2022 (Linguistics and Data Science in Collaboration) にてVincent Renner教授と柴﨑礼士郎教授(明治大学)を招へいし、Language Change: Internal and External Factorsと題する講演会を英語で開催した。オンラインで実施することにより広く研究成果を公開することができた。 令和4年度の研究活動の柱の2つ目として、『比較・対照言語研究の新たな展開:三層モデルによる広がりと深まり』(開拓社、東京, 2022年11月)という論文集と『英語と日本語における等位複合語』(開拓社、東京, 2023年3月)という専門書を共編・共著で上梓することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の当初の計画にはなかったが深く関連するトピックについて、『比較・対照言語研究の新たな展開:三層モデルによる広がりと深まり』(開拓社、東京)という論文集と『英語と日本語における等位複合語』(開拓社、東京)という専門書を共編・共著で上梓することができたため、研究課題は順調に進展していると考える。ただし、国際共同研究の推進を主目的とする本課題において、新型コロナウィルス感染症蔓延による国内・国際情勢の不安定化の影響は避けられなかった。ヨーロッパの共同研究者との共同研究を完遂させるため、補助事業期間延長承認を申請し承認された。
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今後の研究の推進方策 |
第1に、令和5年度は海外共同研究者とともにCompetition in Word-Formationと題する論文集をJohn Benjamin Publishing Co.の言語学シリーズの1つであるStudies in Language Companion Series (SLCS) から出版することを目指して活動する。Vincent Renner及びAleksandra Bagashevaとの国際共著でその論文集の巻頭論文を執筆する。 第2に、令和5年夏にフランスで開催されるThe fourth International Symposium of Morphology (ISMo 2023) とイタリアで開催される13th International Conference on Historical Lexicography and Lexicologyにて研究発表を行う予定である。前者は等位複合語を扱い、後者は言語接触の問題を扱う。
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