• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

モンスーンアジアに息づく「遊び仕事」の再評価とその現代的活用

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0326
研究機関宮城教育大学

研究代表者

溝田 浩二  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00333914)

研究期間 (年度) 2019 – 2023
キーワードモンスーンアジア / 遊び仕事 / 在来知 / 環境教育 / ESD
研究実績の概要

巨大な人口を抱えた地球全体で進む急速な近代化と豊かな自然環境の保全との調和は、正解のないきわめて困難な問題である。稲作文化を基層においたモンスーンアジア地域には、稲作という生業を基本として多様な「遊び仕事(副次的・周縁的生業、マイナー・サブシステンス)」が展開されており、そこに内包される徹底した循環思想、持続可能な生物資源利用の知恵や技術は、世界的な人口問題・環境問題の解決へのひとつの糸口となりうる。本研究では、モンスーンアジア地域で営まれている「遊び仕事」の豊かな世界を明らかにし、そこに内包されている<在来知>をあぶりだすことによって「遊び仕事」を再評価し、新たな環境教育/ESDの構築に挑む。具体的には、ラオス人民民主共和国のビエンチャン県(水田地帯)およびシェンクワン県(森林地帯)を主要なフィールドとして、①市場における有用動植物資源の調査、②フィールドにおける「遊び仕事(山菜・キノコの採集、川や水田での漁撈、在来ミツバチの伝統養蜂、食用昆虫の採集・養殖など)」に関する調査、③「遊び仕事」の再評価とデータベース構築、の3点に取り組む。2020年度、2021年度は新型コロナウィルス感染症の影響によりラオスへ渡航することができなかったものの、2022年度(2023年3月)にラオス渡航が実現し、現地でのフィールド調査に着手しはじめた段階である。ラオス国立農林業研究所のセンドゥアン研究員による全面的なサポートもあり、入国直後から①および②の現地フィールド調査を円滑かつ順調に進めることができている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度から2021年度は新型コロナウィルス感染症の影響によりラオスへ渡航することができなかったものの、その期間もカウンターパートと連絡を取り合いながら、現地のコロナウィルス蔓延状況の把握、研究内容の打ち合わせ、ラオスにおける「遊び仕事」に関する情報・資料の収集、現地調査に必要な物品調達などの研究準備を進めてきた。そうした下準備を時間をかけて進めるてきたこともあり、2023年3月からラオス国立農林業研究所のセンドゥアン研究員とともに、ビエンチャン県(水田地帯)およびシェンクワン県(森林地帯)を主フィールドとして、①野生市場における有用動植物資源の調査、②フィールドにおける「遊び仕事(山菜・キノコの採集、川や水田での漁撈、在来ミツバチの伝統養蜂、食用昆虫の採集・養殖など)」に関する調査を順調に進めることができているため。

今後の研究の推進方策

本研究は、野生市場で取引されている「遊び仕事」由来の産品を糸口として、ラオスや日本の「遊び仕事」に内在する<在来知>を明らかにし、その現代的な活用(環境教育/ESDの構築)を目指すものである。その研究目的を達成する上で最も基本的かつ重要なものが、野生市場でみられる多彩な「遊び仕事」由来の産品の名前(学名、ラオス名・英語名・日本名)、採集場所、採集時期、採集方法、調理方法、活用方法などの情報である。野生市場やフィールドに足繁く通い、集中的・網羅的に情報を収集・整理してデータベース化する作業に取り組みながら、ラオスの市井の人々や多様な分野の研究者、教育者らとの交流を重ね、ラオスおよび日本の風土に即した<在来知>を基盤とした環境教育の構築に取り組んでいく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 対馬の伝統養蜂に学ぶ環境教育2023

    • 著者名/発表者名
      溝田浩二
    • 雑誌名

      日本在来種みつばちの会会報

      巻: 90 ページ: 7-7

  • [学会発表] ラオスの伝統養蜂に内包される生物資源利用の知恵と技2023

    • 著者名/発表者名
      溝田浩二・Sengdeuane Sivilay
    • 学会等名
      第6回日本環境教育学会東北支部大会
  • [学会発表] 環境教育の視座からみた養蜂ーミツバチ種の違いに着目して2022

    • 著者名/発表者名
      溝田浩二
    • 学会等名
      日本環境教育学会第33回年次大会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi