「遊び仕事」の概念は人と自然の関係性を理解するうえでの枠組みとして注目されている。本研究では、ラオスで「遊び仕事」として営まれている食用昆虫の利用およびトウヨウミツバチ養蜂に着目し、2023年3月から2024年3月までビエンチャンおよびシェンクワン県においてフィールド調査を行った。ラオスでは雨季と乾季という季節の移ろいに適応しながら複合的な生業が営まれており、そのリズムのなかで食用昆虫が採集・利用され、養蜂が営まれていることが明らかとなった。ラオスで培われてきた伝統知識や食文化を人類共通の財産として保存・活用していくためにも、在来知をきちんと記録し、次の世代につないでいくことが重要である。
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