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2019 年度 実施状況報告書

近世イギリスにおける大衆出版・法・初期公共圏

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0333
研究機関東洋大学

研究代表者

後藤 はる美  東洋大学, 文学部, 准教授 (00540379)

研究期間 (年度) 2018 – 2020
キーワード近世 / イギリス / メディア / 法 / 民衆 / 公共圏
研究実績の概要

本課題は、17~19世紀初頭に大衆出版を軸に形成される新たな政治文化を長期的に把握する基課題を土台としつつ、これに17世紀の大衆出版物にあらわれる民衆と法、およびモノとしての印刷物という観点を導入して、法や政治に対する民衆の態度をその具体相から総合的に検討することをめざす。共同研究としては、イングランド宗教改革と民衆、およびテクストの物質性という観点からアレクサンドラ・ウォルシャム教授(ケンブリッジ大学)、複合的国家編成動揺の鍵となる革命期アイルランドと民衆という観点からジェーン・オーマイヤ教授(トリニティ・カレッジ・ダブリン大学)に協力を求める。
2019年度はイギリス・ケンブリッジ大学を拠点に約1年間の在外研究を実施し、期間中に計2カ月間トリニティ・カレッジ・ダブリン大学ロングルーム・ハブ人文学研究所も訪問して、共同研究者の助言のもと、新たな人脈の開拓と体系的な史資料の収集につとめた。
具体的な事例研究としては、王政復古期の「教皇主義者陰謀事件」の一環で、アイルランドにおけるカトリック反乱計画の嫌疑で大逆罪に問われたオリヴァ・プランケット大司教の裁判にまつわる報道と出版を題材に選び、英国図書館、アイルランド国立図書館、ケンブリッジ大学図書館、オクスフォード大学ボドリアン図書館、トリニティ・カレッジ・ダブリン大学図書館、ユニヴァーシティ・カレッジ・ダブリン大学図書館、ダウンサイド大修道院付図書館など、イギリス/アイルランドのさまざまな文書館/図書館にて関連史料を収集した。
事例研究の成果は、トリニティ・カレッジ・ダブリン大学歴史学部の近世史セミナーにて口頭発表した(2020年2月10日)。同セミナー出席者との討論から有益な示唆を受けたほか、共同研究者をはじめ複数の近世史研究者から草稿へのコメントを得た。これらをもとに英語での投稿論文を準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年間の在外研究の実現により、史資料の調査および海外研究者との学術交流が効率的に進展した。中間的な成果は英語による口頭報告を行い(2020年2月)、論文公刊に向けて準備が進んでいる。

今後の研究の推進方策

2020年度は事例研究の仕上げに取り組みつつ、論文の公刊により注力したい。また、今年度は長期休暇中に追加の資料調査(イギリス、アメリカ)を予定しているほか、基課題である基盤研究C課題とも連携して海外研究者を招聘した国際セミナーを計画しているが、新型コロナウィルス流行の影響が予想される。2020年度は本課題の最終年度であるが、場合によっては翌年度への期間延長を検討したい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 社会史を再考する2019

    • 著者名/発表者名
      鈴木道也、後藤はる美
    • 雑誌名

      東洋大学人間科学総合研究所紀要

      巻: 22号別冊 ページ: 1-4

  • [雑誌論文] 分野の境界を越えて――「新しい社会史」と近世イングランドにおける政治文化――2019

    • 著者名/発表者名
      ジョン・ウォルタ(後藤はる美訳)
    • 雑誌名

      東洋大学人間科学総合研究所紀要

      巻: 22号別冊 ページ: 5-23

  • [雑誌論文] 修正主義と「新しい社会史」2019

    • 著者名/発表者名
      ジョン・モリル(後藤はる美訳)
    • 雑誌名

      東洋大学人間科学総合研究所紀要

      巻: 22号別冊 ページ: 33-45

  • [雑誌論文] 「新しい社会史」と文化論的転回2019

    • 著者名/発表者名
      マイケル・ブラディック(後藤はる美訳)
    • 雑誌名

      東洋大学人間科学総合研究所紀要

      巻: 22号別冊 ページ: 47-61

  • [雑誌論文] 「喚くふしだらな女たち」――イギリス革命期の女性の行為主体性を概念化する――2019

    • 著者名/発表者名
      アン・ヒューズ(後藤はる美訳)
    • 雑誌名

      東洋大学人間科学総合研究所紀要

      巻: 22号別冊 ページ: 135-146

  • [雑誌論文] 1641年――新しいコンテクストとパブリックな視角――2019

    • 著者名/発表者名
      ジェーン・オーマイヤ(後藤はる美訳)
    • 雑誌名

      東洋大学人間科学総合研究所紀要

      巻: 22号別冊 ページ: 147-157

  • [学会発表] Print, Law and Public Sphere in Early Modern Britain and Ireland: Oliver Plunkett and the Trial by Jury, 1680-812020

    • 著者名/発表者名
      Harumi Goto
    • 学会等名
      Early Modern History Seminar (Trinity College Dublin)
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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