研究課題/領域番号 |
18KK0333
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
後藤 はる美 東洋大学, 文学部, 准教授 (00540379)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2022
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キーワード | 近世 / イギリス / メディア / 法 / 民衆 / 公共圏 |
研究実績の概要 |
本課題は、17~19世紀初頭に大衆出版を軸に形成される新たな政治文化を長期的に把握する基課題を土台としつつ、これに17世紀の大衆出版物にあらわれる民衆と法、およびモノとしての印刷物という観点を導入して、法や政治に対する民衆の態度をその具体相から総合的に検討するものである。 昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症の流行拡大の影響が大きく、予定していたアメリカ・イギリスでの史料調査は実施できなかったものの、一定の成果をあげることができた。第71回日本西洋史学会大会小シンポジウム(2021年5月)での報告では、これまでの成果の一部を取り入れて、「長期のイギリス革命」における公共圏の役割について考察した。また、共同研究者のひとりジェーン・オーマイヤ教授(トリニティ・カレッジ・ダブリン)を講演者に、Zoom形式でのオンライン・セミナーを歴史学研究会との共催により、同会の総合部会例会として開催した(2021年6月)。同セミナーの成果は『歴史学研究』1021号(2022年4月刊)の特集「デジタル史料とパブリック・ヒストリー――アイルランド反乱(1641年)の集団的記憶と歴史認識」として結実した。同特集は、アイルランド史、東アジア史、日本史、公共史、デジタル・アーカイヴ論とさまざまな視点から、分野の境界を越えて、デジタル時代の歴史学と歴史認識・集団的記憶の問題について考えるうえでも極めて有益な機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症の流行により渡航が制限され、予定していたイギリス・アメリカでの史資料調査が実施できなかったため。またオンライン授業導入により教務負担が増加し、研究時間が著しく制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間が延長され、来年度が最終年度となるため、年度末までに成果公刊をめざす。 また、可能であれば長期休暇中に渡英し、史資料調査を実施する。
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