2023年1月に基盤研究B「公論と暴力-革命の比較研究」(代表:三谷博/東洋文庫)との共催で開催した国際シンポジウムに際して、来日を予定していた海外研究者の渡航が先方の事情で直前に中止となったが、年度内の再調整が困難であったため、招へい費の一部をやむを得ず次年度に繰り越した。 本年度は、同資金を利用して2023年8~9月に渡欧し、ポーランド国際文化センターおよび東京外国語大学の企画によるポーランド・ポモジェ地方を中心とした10日間の研究視察に参加した。計17名の東欧史、ロシア史研究者との「辺境」地域の視察を通じ、近代ヨーロッパにおける公共性や集団的記憶の問題を考えるうえで有益な示唆を得た。また、9月にロンドン大学歴史学研究所(IHR)で開催された東アジアブリテン史学会(BEACH)に参加して在英研究者との学術交流を行ったほか、イギリスの文書館にて補完的な史資料調査を実施した。 上述の国際シンポジウムをもとにした英語論集への寄稿のほか、課題全体の最終的な成果公刊に向けて準備を進めている。
|