最終年度である令和5年度は、論文の作成や国際会議での報告など、研究成果の発表のための作業に力を入れた。令和4年度に、当初の予定の2年遅れで渡英し、多くのデータを集めることができたため、令和5年度は、その整理・分析に多くの時間が費やされた。 とくに時間をかけてきたのが、ロンドン・ニューハム地区にあるプライマリースクールで得たデータの整理・分析である。インクルーシブ教育の授業観察のみならず、広範にわたって行われた学校スタッフへのインタビュー調査のデータの整理・分析を行う必要があった。 今回のフィールド調査をとおして、自分がまだよく知らない多くの事柄に遭遇し、自分自身の勉強不足を実感した。今後も、2015年SENDコード・オブ・プラクティスの正確な理解や近年の動向など(たとえば、教科教育に取り組めないほどの重い障害をもっている子どもに対して適用されるアセスメントツールであるエンゲージメント・モデルなど)、より深い専門的知識の習得に努めたい。 また、年度の終わりには、これまでのデータを補完する観点から、新たに同地域の別のプライマリースクールを訪問している。授業観察に加えて、学校スタッフへのインタビュー調査を行い、また経営母体であるアカデミー・トラストにまで調査対象を広げるなど、データに厚みをもたせてきた。今後さらなるデータの整理・分析を行い、研究成果の発表につなげたい。
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