研究課題/領域番号 |
18KK0350
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
久保 慶一 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30366976)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2021
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キーワード | 戦争責任 / 戦争犯罪 / 国際刑事裁判 / メディア / フレーミング |
研究実績の概要 |
本年度は、令和2年(2020年)9月からのイタリアおよびセルビアにおける研究滞在(1年間)の準備を進め、また、計量テキスト分析を進めてその成果の発信を行った。欧州研究滞在の準備については、2019年7-8月にセルビアを、2020年2月にベルギーとイタリアを訪問し、共同研究者との研究打ち合わせを実施し、令和2年度以降の本格的な共同研究実施のための準備を完了した。計量テキスト分析の成果発信については、2019年の6月の世界政治学会(IPSA)ジョイント・コロキアム(サラエヴォ)と、2019年9月のPOLTEXT Conference(東京)という2つの国際会議に参加し、セルビアにおける移行期正義(ICTYにおける戦争犯罪責任者の裁判、セルビア当局による戦争犯罪被告人のICTYへの引き渡し)を巡る現地報道機関の報道の論調(フレーミング)に関する計量テキスト分析の暫定的成果を発表し、討論者やオーディエンスから有益なフィードバックを得ることができた。また、2019年12月には旧ユーゴ地域における政党政治と移行期正義の関連を分析した単著を刊行し、その中に、セルビアにおける移行期正義に関する計量テキスト分析の結果を盛り込んだ。さらに、本研究の推進によって得た計量テキスト分析の手法に関する知識を活かし、2020年3月にオーストリアで開催された国際会議に参加し、2007年12月に表明されたセルビアの「軍事的中立」政策に関する現地報道機関の報道論調(フレーミング)を分析対象とした計量テキスト分析の結果を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年9月から予定している1年間の研究滞在に向けた準備を完了することができ、また計量テキスト分析については分析作業を進めて、2回の国際会議での研究発表と、単著の刊行という研究成果を生み出すことができた。以上の理由から、概ね順調に進展していると自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
2020年3月以降のコロナ禍の世界的拡大により、予定通り令和2年9月からイタリアでの研究滞在を開始することが困難になることが予想されている。イタリア、セルビアおよびその周辺諸国におけるCOVID-19の感染状況、現地政府と日本政府による移動規制、日本の外務省が発出する海外安全情報を注視し、出発時期・滞在期間の変更や、最悪の場合には滞在先(共同研究者・共同研究機関)の変更も含めた対応を検討しながら、研究を推進していきたい。
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