研究課題/領域番号 |
18KK0351
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹内 規彦 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (40387569)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2021
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キーワード | ネオ・ジェロントロジー / 後期キャリア開発 / 組織行動 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究は、2020年1月~2022年3月までの期間において、①研究対象、②概念、及び③成果発信の各側面において、基課題から格段に発展させ、東アジアにおける中高年人材の「プロアクティビティ」(状況に応じた個人の予期的、先取的、変化志向の自発的行動)向上のメカニズム解明を目的とする。 2019年度は、交付申請を行った時期が年度終盤の2020年1月であったため実質的な活動期間は3ヶ月弱ほどであった。そのため、研究活動としては、①文献や種々の資料・情報収集、②基課題で収集した中高年人材関連のデータ解析、③ワークショップの実施の3点に集中させた。 第1に、文献・資料等の情報収集活動については、(1)マクロの中高年雇用政策に関わる内容、(2)企業における中高年活用の事例、(3)ミクロの老年心理学・生涯発達心理学に関わる内容を中心に文献・資料の収集を行った。理論的には、シニア人材マネジメントを行動科学の視点から接近するのに有用な社会的情動選択理論及び資源保存理論と関連する最新文献のレビューを行った。 第2に、基課題にて収集済みの中高年人材関連のデータ解析については、主に中高年人材の加齢、職場環境、職務成果の関係について、主観的な回答データと客観的な指標データをを組み合わせ解析を行った。結果は現在論文化しており、今年度中に投稿予定である。 第3に、シニア人材のキャリアに関する研究者間の意見交換を目的として、この領域で活躍する複数の研究者との研究会(キャリアマネジメント研究会)を当方主催で開催した。この研究会では、参加した研究者より先述の基課題での解析結果について建設的なご意見をいただくなど、次年度以降の本課題の進展に有益となる示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の点から順調に進んでいると判断する。 (1)海外共同研究者との調整状況・・・定期的に情報交換をしており、現在のところ研究の進捗面では大きな支障はでていない。ただし、本共同研究者2名をこの4月に日本に招聘予定であったが、新型コロナウイルスにより延期せざるを得なくなった。現在のところ、来日の目処はたっていない。 (2)文献・資料収集面・・・文献や資料については、本務校である早稲田大学のほか関連する蔵書や資料の豊富な京都大学からも収集を行い、滞りなく実施できた。 (3)データ解析面・・・上述のように、昨年度予定していた基課題で得られたデータ解析は着実に進められた。 (4)研究成果面・・・基課題の発展的研究の開始初年度、しかも限られた期間での実施ということを考慮しても、想定していた成果を挙げられていると実感している。また、昨年度に投稿し、現在審査中の論文等が複数あることから、今年度公にならなかった成果であっても次年度以降に刊行ないしは公開となることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(2020年度)12月以降には、海外に拠点を移す形で本国際共同研究課題を加速化させる予定である。不確実要素として、新型コロナウイルスの世界的パンデミックの影響が、当該時期の海外渡航や海外研究機関での受け入れ等に、どの程度及ぶかという点が挙げられる。 こうした不確実性に対処するため、ある程度、状況に応じた柔軟な対応がとれるよう、研究継続のための複数の選択肢を用意しておく必要があると考える。そのため、当初予定していた時期での渡航を目標としつつも、若干の延期にも対応可能なように、国内で実施可能な研究活動部分のウェートを増やすことも検討している。 なお、万が一、新型コロナウイルス等の影響により、交付申請時の研究計画に変更が生じた場合は、速やかに本学研究推進部を通じJSPSに連絡・相談をする。
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