研究課題/領域番号 |
18KK0351
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹内 規彦 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (40387569)
|
研究期間 (年度) |
2019 – 2022
|
キーワード | ネオ・ジェロントロジー / 後期キャリア開発 / 組織行動 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究は、2①研究対象、②概念、及び③成果発信の各側面において、基課題から格段に発展させ、東アジアにおける中高年人材の「プロアクティビティ」(状況に応じた個人の予期的、先取的、変化志向の自発的行動)向上のメカニズム解明を目的とする。2021年度(以降、今年度)は、年度開始早々より、台湾(台南市)の國立成功大學・国際経営研究所に研究拠点を移し、国際共同研究活動を本格化させた。以下の5点の活動を行った。 第1に、現地でのシニア人材マネジメントとプロアクティブ行動に関する事例調査を実施した。具体的には、複数の現地企業(在台湾日系企業を含む)の総経理及び人事マネージャー・ラインマネージャーに対し、半構造化面接を行い質的データ(一部量的データ)を収集した。 第2に、台湾の従業員及びマネージャーに対して、質問紙法に基づくパイロット調査を実施した。このパイロット調査は、作成した測定尺度の妥当性や信頼性を検証する目的で行われ、今後(次年度)に実施予定の本調査で当該尺度を用いる際の修正指針を得ることを目的としている。 第3に、収集したデータの集計及び統計解析を行った。この作業は、既に国内で収集していたシニア人材のデータと台湾で新たに収集したデータの両方を比較検討しながら行った。 第4に、海外研究協力者と定期的にミーティングを行い、役割分担した研究活動の進捗を随時確認するとともに、論文化の方向性についても定期的に議論を行った。 第5に、これまでの成果の論文化と論文投稿を通じた成果発信を積極的に行った。その一部は海外トップジャーナルであるJournal of Vocational Behavior(SSCI IF = 6.07)に全文が掲載された。さらに、台湾側の共同研究者とも複数の論文を共著で執筆し、一部は国際学会にて発表された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響によるデータ収集作業の延期・・・新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、渡航が2021年4月にずれ込んでしまった。さらに、台湾渡航後に、現地で急速に感染が広まり、現地政府がロックダウン方針を出したことから、予定していた台湾での大規模調査データの収集作業が、年度後半にずれ込んでしまった。また、期間中に英国マンチェスター大学での共同研究も予定していたが、そちらについては渡航自体を取りやめることとなった。そのため、本課題の研究期間を1年間延長し、次年度に予定していたデータ収集を行う。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度(2022年度)は、本国際共同研究課題の延長期間にあたる。 当初予定していた台湾でのシニア人材に対する大規模調査を、夏季休暇期間を利用して、次年度中旬頃に行う予定である。調査実施に当たっては、台湾屈指の研究大学である國立成功大學の国際経営研究所の協力を得て、海外共同研究者の研究グループと進める計画である。 今後は、既に収集している日本の大規模縦断調査データを組み合わせた大規模国際データセットを作成する。さらに年度後半にはデータ解析を集中的に実施し、トップジャーナルへの投稿を随時行う予定である。
|