研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
資産価格バブルの研究を新たな切り口で行うことに成功しました。具体的には、発生と崩壊を繰り返すバブルの過程を現代的なマクロ経済モデルに組み込み、分析を行うことが出来ました。これまでの資産価格バブルの研究は主に崩壊に伴うコストに注目していましたが、本研究プロジェクトで開発した「繰り返しバブル」モデルはこれまでの研究で注目されてこなかった隠れたコストがあることを明らかにしました。つまり、資産価格バブルの発生が期待されると、その期待自体が経済成長率を押し下げるというコストです。
マクロ経済学
資産価格バブルの隠れたコストを明らかにすることで、資産価格バブルの規制に関する論争に新たな視点を提供しました。日本経済への応用についても検討し、平成バブルの崩壊以後、日本経済が低成長を続けている現象、いわゆる「失われた30年」の原因についても、本プロジェクトの研究成果が一定の示唆を持つことを示しました。すなわち、平成バブル崩壊以後もバブル発生に関する期待が存在し続けたことが、低成長の一因である可能性があることが分かりました。